金融業界DX|営業領域の課題と成功事例を解説アイキャッチ
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【2026年】金融業界DX|営業領域の課題と成功事例を解説

金融業界DXは「2025年の崖」を起点に語られてきましたが、2025年12月に金融庁が公表した地域金融力強化プランによって議論の軸が大きく変わりました。

本記事では政策転換の文脈、主に金融業界の営業における内部体制と外部環境の2軸で同時進行する構造的課題、CRMから顧客接点まで5つの取り組み領域、地方銀行・保証・保険3社の導入事例、そして次の10年を決めるAX(AI Transformation)への進化までを一気通貫で整理します。

目次

金融業界DXとは

金融業界DXとは、デジタル技術で金融機関の業務・顧客接点を再設計する取り組みです。単なるシステム導入ではなく、業務プロセスや収益構造の変革まで含む幅広い概念として用いられます。

経済産業省のDXレポートによる定義

経済産業省のDXレポートでは、DXを「データとデジタル技術を活用し、製品・サービス・ビジネスモデルを変革すること」と定義しています。

勘定系刷新やペーパーレスといった基盤刷新に加え、CRMによる顧客接点強化、渉外活動の最適化までを含む幅広い概念です。
出典>>経済産業省 DXレポート

金融業界DXを取り巻く政策の変化

これまで金融業界DXの焦点は、レガシーシステム放置によって2025年以降に最大12兆円規模の経済損失が発生するという「2025年の崖」が中心でした。

2025年を乗り越えた現在、議論の主軸は金融庁が打ち出した地域金融力強化プランへと移行しています。守りのIT刷新から、攻めの収益力強化と地域貢献へと、政策の力点が変わったわけです。

DXからAXへの潮流

金融業界DXの先には、AIエージェントが業務を自律的に実行するAX(AI Transformation)のフェーズが控えています。CRMや日報のデジタル化に留まらず、渉外活動の最適化やスケジュール計画、日次レポートをAIが回す段階に入りつつあります。

金融業界DXが進む背景|2026年最新の動向

金融業界DXは2025年12月に金融庁が発表した地域金融力強化プランで新たな段階に入りました。地方銀行のコア業務純益が回復に転じ、攻めの投資に踏み出せる環境が整ったことも追い風となっています。

金融庁が示す金融業界DXの方向性

金融庁は2025年12月19日、地域金融力強化プランを公表しました。地域経済の持続的成長を支える金融機能の強化を掲げ、地域金融機関に対しビジネスモデルの再構築と人材確保・育成を求めています。

2025事務年度金融行政方針においても、地域金融機関の経営基盤強化と顧客本位の業務運営が重点テーマに位置付けられています。防御的DXから、地域経済との共創を視野に入れた攻めのDXへ、政策軸が明確に転換しました。

出典>>金融庁 地域金融力強化プラン
出典>>金融庁 2025事務年度金融行政方針

地方銀行のコア業務純益+21.7%が示す収益局面の転換

全国地方銀行協会の2024年度決算によれば、加盟62行のコア業務純益は前年比+21.7%と大幅に改善しました。長く続いた低金利環境からの転換と、貸出運用利回りの上昇が背景にあります。

収益が回復した今こそ、DX投資を本格化する好機です。守りのコスト削減から攻めの収益創出へ、投資の質を切り替えるタイミングが訪れています。

出典>>全国地方銀行協会 2024年度決算

フィールドセールスの活動の質向上を目的とする見直しが加速

フィールドセールスに特化した営業支援ツール「UPWARD」を提供するUPWARDの実績でも、地方銀行・信用金庫・保険・保証会社など複数の金融機関で導入が進んでいることを公表しています。

導入事例ロゴ

主に、顧客接点の質向上の用途で導入され大きな成果を実現しています。

関連ニュース>>山口フィナンシャルグループ、営業DX推進に向け外回り営業支援サービス「UPWARD」を導入

金融業界が直面する3つの構造的課題

金融業界の営業現場DXに関連する課題は、外部環境(市場・顧客)と内部体制(組織・システム)の2軸にわけられます。個別最適では解消せず、CRMと現場業務の再設計を伴う構造的な取り組みが必要です

【外部環境】地域金融機関の二極化と市場縮小

地域金融機関の体力差は急速に広がっています。攻めの投資に踏み出せる行と、店舗・人員の縮小で守りに入る行とで、DX投資余力に明確な差が生まれています。

人口減少を背景とした市場縮小も避けられず、限られた顧客との接点を最大限活かす運営に切り替える必要があります。

【内部体制】レガシーシステムと属人化されたデータ

基幹システムが数十年運用され、現場の顧客情報や活動データは紙やExcel、個人管理に依存しているケースが少なくありません。データが組織横断で連携されないため、本部と現場が同じ顧客像を共有できない状態が続きます。
「2025年の崖」が示すように、レガシーの放置はDXの最大の障害です。データ基盤を一元化し、現場が当たり前のように使える仕組みを整えることが、金融業界DXの最初のハードルになります。

【内部体制】渉外活動の負担増と組織の縦割り

地域金融機関の渉外担当者は、訪問先の選定・移動・面談・帰社後の入力までを抱え、本来の提案業務に充てる時間が不足しがちです。信用金庫では人員に占める渉外担当者の比率が25%前後に達するケースもあり、ここの生産性が経営インパクトに直結します。

加えて、営業・代理店・商品・事務の縦割り構造が、現場の気づきを組織のナレッジに昇華させる動きを阻んでいます。デジタル基盤と現場運用の両輪で改善を進めることが、現場と経営の両方に効きます。

これら外部環境と内部体制の課題が同時進行し、結果としてDXが進まず機会損失が広がる構造に陥ります。戦い方と働き方の両面を見直す必要があります

保険業界に特化したUPWARDの活用例、効果のデータはこちらです。DXによる現場、本部・マネジメントマネー、コンプライアンス部門それぞれの変化のビフォーアアフターもまとめています。
関連資料>>【事例あり】保険業界におけるUPWARD活用例のダウンロード

金融業界DXの主要な5つの取り組み領域

金融業界DXはCRM・渉外活動・日報・顧客接点・データ活用の5つの業務領域で取り組みが進んでいます。それぞれが独立した施策ではなく、地域金融機関の収益構造を再設計する一連のロードマップとして連動します。

取り組み領域担当部門期待効果 
1. CRMによる顧客データの一元化経営企画・本部顧客接点ROIの向上
2. 渉外活動の効率化IT・営業本部訪問効率化・機会損失防止
3. 活動報告・日報の自動化支店・現場管理入力工数削減・意思決定加速
4. 顧客接点の質的転換リテール・保険企画LTV向上+規制統制
5. 営業データの分析・活用営業企画・DX推進データドリブン経営・AXへの橋渡し

CRMによる顧客データの一元化

CRMは顧客情報の格納庫から、収益創出ツールとして再定義する段階に入っています。蓄積された取引履歴・接触履歴・属性データを抜け漏れなく登録すること、そしてデータで可視化することで、本部の方針と現場の判断を同じ画面でつなげられます。

渉外活動の効率化(訪問先の選定・ルート効率)

職員の訪問件数だけしか把握せず、顧客規模や期待値に合わせた訪問活動ができているか見えていないケースは非常に多いです。

顧客のラベリングを明確にし、必ず行くべき重要顧客に行き、空いた時間で周辺の見込み顧客を回る計画を作るのをシステム化することで営業活動の効率は大きく向上します。

訪問先選定とルート設計に数理最適化を適用することで、同じ人員でも有効な面談機会を増やせるのです。

訪問営業の効率化については以下の記事で詳しく紹介しています。
関連記事>>フィールドセールスの訪問計画ガイド|今日から使える5つのステップ

活動報告・日報の自動化

支店現場の負担として根強いのが、帰社後の日報入力です。スマホで入力ができるだけでなく、入力の負荷をできるだけ下げることで本当に有効なデータを集めることができます。

例えば、UPWARDなら、顧客先についたらスマホのAI議事録が立ち上がり、訪問先を離れたら自動で終了します。そして商談の内容が自社のテンプレートに沿って要約され、訪問先の位置情報と紐づいてCRMに自動連携します。これにより、入力工数の削減と現場の意思決定スピード向上が見込めます。

顧客接点の質的転換(LTV向上・規制統制)

従来の単発販売モデルから、顧客LTVの最大化を起点とする提案型営業への転換が求められています。法人取引では事業性評価や本業支援、個人取引ではライフプランに沿った中長期提案が成果につながります。

特に保険業界では、顧客LTV最大化と監督指針への対応を両立させる仕組みが重要です。システムに組み込まれたAIが顧客接触のタイミングを示唆し、活動記録の自動化が募集記録の統制を支えます。顧客本位の営業を実現するためのコンプライアンスの強化も、金融業界DXでは欠かせない視点です。

営業データの分析・活用(AXへの橋渡し)

CRMと活動記録の自動化により蓄積されたデータを、分析・予測・行動示唆に活かす段階です。AIが優先顧客を自動スコアリングし、次のアクションを提案することで、属人化からの脱却が進みます。

データドリブンな意思決定の積み重ねが、次フェーズのAX(AI Transformation)への橋渡しとなります。データ蓄積の質と量が、AX時代の競争力を左右する基盤資産になります。

金融業界DXの導入事例|地方銀行・保証・保険3社

金融業界の営業におけるDXは業態・規模を問わず成果を出しています。地方銀行DXの事例として琉球銀行、保証会社のDX事例として全保連、保険代理店の取り組みとしてプレミアの3社で具体像を紹介します。共通して、現場起点の改革が成果につながっています。

企業業態・規模主な課題主な成果 
琉球銀行地方銀行・1,001〜5,000名外回り営業の属人化営業可視化・自発的効率化
全保連保証会社・301〜1,000名新人立ち上がり遅延・FISC対応売上2桁成長・新卒即戦力化
プレミア保険・〜300名顧客管理・ルート設計昨年対比130%以上(UPWARD以外の効果も含む)

琉球銀行|CRMを地図に可視化、自発的効率化を実現

地方銀行DXの先進事例として知られる琉球銀行のケースです。カード加盟点営業において、取引先の情報や案件情報をエクセルで管理していたため、状況を把握するために一度店舗に戻って確認する必要が生じていました。

UPWARD導入後はCRMデータを地図上に可視化し、外回り営業の効率化が進展。重点顧客と営業活動が見える化されたことで、現場担当者からの自発的な改善提案が生まれ、行動の質が変わりました。

関連事例>>【UPWARD導入事例】|株式会社琉球銀行★動画インタビューあり

全保連|コア業務に集中できるようになったことで売上2桁成長、新卒即戦力化

全保連は紙地図と手帳での属人管理が長く続き、引き継ぎに苦労していました。そこでSalesforce導入により、情報の一元管理が可能になりました。しかし、引き続き地図上で顧客を確認したいという現場の声がUPWARDを導入。FISC基準に対応したシステムであるため安心してスムーズに導入できました。

売上は毎年2桁成長を継続し、新卒担当者も短期間で即戦力化しています。システム導入により属人化からの脱却が、組織の成長エンジンに変わった事例です。

関連事例>>【UPWARD導入事例】|全保連株式会社

プレミア|昨年対比130%、ペーパーレスで現場改革

オートローン業界のプレミアは14拠点・60名で1万4,000社の取引先を管理しており、営業一人あたりの担当者数が約250社という状況です。顧客管理に課題を感じ、Salesforceを導入しました。また、「壁に地図を貼ってマッピングもしてみたが、なかなか適性なルートが作れない」という課題がありました。

そこでUPWARD導入により、「新規営業」「掘り起こし営業」「契約書回収」の活動を効率的に設定できるようになりました。管理者が取引先への提案状況を俯瞰的に見ることで適切なフォローもできています。

ルート設計や訪問、移動のムダ・ムラが無くなったことで、営業の質改善にもつながりました。 お客様との時間が増え、1件1件に時間をかけて信頼関係を築くことに注力できています。

関連事例>>【UPWARD導入事例】|プレミア株式会社

Web上では公開できないユースケースや、自社の課題に沿った活用方法を知りたい方はぜひお気軽にご相談ください。
【担当者より速やかにご連絡します】UPWARDへのお問い合わせフォーム(入力1分)

保険業界に特化したUPWARDの活用例、効果のデータはこちらです。DXによる現場、本部・マネジメントマネー、コンプライアンス部門それぞれの変化のビフォーアアフターもまとめています。
関連資料>>【事例あり】保険業界におけるUPWARD活用例のダウンロード

金融業界DXからAXへ

金融業界DXの次のフェーズは、AIエージェントが業務を自律実行するAX(AI Transformation)といえます。ここではDXとAXの違いと、金融業界における実装イメージを整理します。

AX(AI Transformation)とは

AX(AI Transformation)は、AIエージェントが業務プロセスを自律的に実行・改善するフェーズを指します。ガートナーはAIエージェントを学習・適応・自律性の3特徴で定義しており、従来の自動化との明確な違いはここにあります。

出典>>ガートナー|AIエージェントとは

観点DX(Digital Transformation)AX(AI Transformation) 
主役人+システムAIエージェント+人
目的既存業務のデジタル化・効率化業務の自律実行・再設計
金融業界の例申込書ペーパーレス・CRM導入渉外活動の自動最適化・活動報告の自動化
成果指標工数削減・コスト削減売上創出・LTV向上・自律改善

金融業界におけるAXの実装イメージ

金融業界のAXは、渉外担当者の行動データをAIが学習し、次の訪問先・提案内容・タイミングを示唆する形で実装されます。活動報告の自動化と組み合わせることで、入力負荷ゼロでデータが蓄積され、AIエージェントが改善ループを回します。

営業AIエージェントの全体像については以下の記事で詳しく紹介しています。
関連記事>>営業AIエージェントとは|選び方とタイプ別活用シーン2026年版

金融業界DXを進める3つのポイント

金融業界DXを成功させる鍵は、現場起点・段階導入・AX見据えの3点です。

第一に現場の渉外担当者が日々使う仕組みから着手すること、第二にCRM刷新を一度に全面実施せず段階導入すること、第三に最終ゴールをAXに据えて投資判断を行うことです。

この3点を踏まえれば、地域金融力強化プランが求める収益力強化と人材活用の両立も現実的な計画として描けます。

また、金融業界に必須のセキュリティ要件を満たすベンダーとの取引の開拓も重要です。実績のあるベンダーにまずは相談をしてみることをおすすめします。

まとめ

金融業界DXは防御的DXから、地域金融力強化プランを軸とする攻めのDX、そしてAXへの進化フェーズへと段階を移しています。5つの取り組み領域と3社事例を踏まえ、自社の優先順位を見極めて投資判断を進めましょう。

また、人材定着と若手の即戦力化も、金融業界の持続的成長には欠かせない視点です。CRMと活動記録自動化を新人教育のインフラに位置付けることで、ベテランの暗黙知を形式知に変換できます。DXが進んだ業界・組織であること自体が、新卒や求職者にとっての魅力にもつながります。

UPWARDでは金融業界に特化した担当者によるデモや提案活動を行っております。短時間でまずは話を聞きたい、聞いてほしい、という方もお気軽にご相談ください。

よくある質問

Q: 地方銀行が最初に着手すべきDX領域は?

CRMと渉外活動の生産性向上が起点として有効です。現場の渉外担当者が日々使う仕組みから段階導入することをおすすめします。

Q: 金融庁の「地域金融力強化プラン」は何を変える?

地域経済との共創を視野に入れたビジネスモデル再構築と、人材確保・育成を地域金融機関に求める内容です。守りのIT刷新から、攻めの収益力強化と顧客本位の業務運営へ、政策軸が転換しました。

Q: 金融業界DXと「2025年の崖」はどう違う?

「2025年の崖」はレガシーシステム放置による経済損失リスクを示した概念で、金融業界DXの初期の推進力でした。現在は地域金融力強化プランを軸にした攻めのDXへと議論の中心が移っています。

Q: 金融業界DXとAX(AI Transformation)は何が違う?

DXは既存業務のデジタル化と効率改善、AXはAIエージェントによる業務の自律実行と再設計を指します。金融業界では渉外活動の自動最適化や活動報告の自動化がAXの代表的な実装例です。

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