本記事では各ステップの実践手順と、入力時間を約10分の1に短縮した導入事例を解説します。
食品メーカーのルート営業はどう効率化する?5ステップと成功事例
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目次
食品メーカーのルート営業効率化を阻む現場課題
食品メーカーのルート営業効率化を難しくするのは、鮮度制約・物流環境・報告環境という3つの構造的な課題です。これらは営業担当者の努力だけでは解消しにくく、仕組みで対処する必要があります。
まずは自社がどの課題に当てはまるかを切り分けることから始めましょう。
鮮度・賞味期限・返品クレーム対応に時間を取られる
食品は賞味期限という時間制約を持つため、ルート営業は商談以外の付帯業務に多くの時間を割きます。
- 店頭の在庫確認
- 先入れ先出しの棚整理
- 期限切れ間際の商品の引き取り交渉
などが訪問のたびに発生するためです。商談時間より付帯業務の時間が長くなる店舗もあり、訪問件数を増やしにくい一因になっています。
物流2024年問題が訪問時間を圧迫する
農林水産物・食品の流通は9割以上をトラック輸送に依存しており、物流の制約はそのまま食品メーカーの現場に波及します。
2024年4月からトラックドライバーの時間外労働に年960時間の上限が適用され、輸送力は対策なしで2024年度に14.2%、2030年度に34.1%不足すると試算されています(同白書)。
特約店や中小メーカーでは営業担当者が配送・納品を兼ねることがあり、その場合は輸送力不足の影響を最前線で受けます。配送を兼ねない場合も、取引先への納品リードタイムや欠品リスクという形で影響は避けられません。
直行直帰・現場PCなしによる報告漏れと残業
例えば清涼飲料ルートセールスは1日のほとんどが外回りで直行直帰となり、月平均労働時間は163時間にのぼります。
出典>>職業情報提供サイトjob tag「清涼飲料ルートセールス」|厚生労働省
訪問先でPCを開けない環境では、報告が帰社後や翌日にずれ込み、記憶頼みの記録になりがちです。報告のための残業が常態化し、活動内容も正確に残らないという二重の損失が生まれます。
食品メーカーのルート営業を効率化する5ステップ
食品メーカーのルート営業効率化は、現状把握→計画→記録→分析→改善の5ステップで体系的に進められます。一足飛びにツール導入へ進むのではなく、現状を数値で押さえてから順に着手することが定着の近道です。
ここでは各ステップで何をどう実行するかを具体的に示します。
ステップ1|現状把握:訪問頻度・移動時間を棚卸しする
最初に着手すべきは、担当者ごとの訪問頻度と移動時間を数値で棚卸しすることです。感覚で「忙しい」と語られる現場ほど、どの活動に時間が消えているかが可視化されていないためです。
例えば、1週間分の訪問記録を顧客別に並べ、訪問回数・1件あたり滞在時間・移動時間を書き出してみましょう。
月平均労働時間が163時間に達する清涼飲料ルートセールスの例が示すとおり、外回り中心の働き方では移動と付帯業務が労働時間の大半を占めます。
棚卸しの結果、訪問頻度が成果と結びついていない顧客が見えてくれば、それが改善の起点になります。
ルート営業の概要から確認したい方向けに、以下の記事で詳しく紹介しています。
関連記事>ルート営業とは?やること、新規営業との違い、コツとスキルを完全解説
ステップ2|訪問計画の最適化:顧客の優先順位とルートを設計する
棚卸しができたら、顧客の優先順位とルートを設計し直します。すべての顧客を同じ頻度で回る運用は、移動時間を膨らませ、重要顧客への対応を薄めるためです。
優先順位は、売上規模・成長余地・フォロー必要度などの基準でランク分けします。例えばAランクは隔週、Cランクは月1回と頻度を分けたうえで、同一エリアの顧客をまとめて回るルートを組めば、移動距離を圧縮できます。。
食品は需要の季節変動が大きく、訪問計画も固定では回りません。夏場の飲料や冷菓、年末年始のギフトや惣菜など、繁忙期は重点取引先への訪問頻度を一時的に引き上げ、閑散期は新規開拓や深耕提案へ時間を振り向けます。
季節商品の入れ替えや販促企画の提案はタイミングを外すと受注機会を逃すため、訪問計画を地図上で組み替えられる体制があれば、季節要因に応じた頻度調整を毎月の計画に織り込めます。
訪問計画の立て方については以下の記事で詳しく紹介しています。
関連記事>>フィールドセールスの訪問計画ガイド|今日から使える5つのステップ
ステップ3|活動記録のデジタル化:直行直帰でも漏れなく記録する
訪問計画と並行して、活動記録をその場でデジタル入力できる体制に切り替えます。直行直帰の現場では、帰社後の記録が残業と記憶頼みの不正確な報告を生むためです。
例えば、訪問直後にモバイル端末や音声入力で要点を残せば、商談内容が鮮明なうちに記録が完了します。隙間時間に入力を済ませることで、報告のための帰社が不要になり、直帰の機会が増えます。
記録が即時化されると、後述のデータ分析で使える活動データが自動的に蓄積されていきます。
ステップ4|データ分析:訪問対効果と売上を可視化する
記録が貯まったら、訪問対効果と売上の関係を可視化します。蓄積した活動データを売上と突き合わせることで、勘に頼っていた優先順位付けを数値で検証できるためです。
例えば、顧客ごとに訪問回数と売上を散布図で並べると、訪問しても売上が伸びない層と、訪問を増やすほど成果が出る層が分かれて見えます。限られた人員の時間を成果の出る顧客へ振り向ける判断をしていきましょう。
季節キャンペーンの提案件数と受注率を訪問データと突き合わせれば、次シーズンの提案タイミングと重点先の精度も上がります。分析結果は次のステップ2の優先順位見直しにそのまま反映します。
ステップ5|改善サイクル:PDCAをチームで回す
最後に、分析結果をチームで共有し、改善サイクルを回します。個人の工夫に限定された効率化は属人化し、担当者の異動や退職で失われるリスクがあるためです。
例えば、月1回の定例で訪問計画の達成率と売上の推移を確認し、成果の出たルート設計を全員の標準として横展開します。うまくいかなかった施策も記録に残し、次月の計画へ反映しましょう。
現状把握から改善までを一巡させ、四半期ごとに繰り返すことで、効率化が一時的な施策ではなく組織の運用として根づきます。
ルート営業の効率化でつまずきやすいポイントと対処法
ルート営業の効率化は、報告の後回し・移動時間の圧迫・ツール未定着・勘頼みの判断という4つの落とし穴でつまずきます。
いずれも仕組み側の工夫で対処でき、原因を取り違えなければ解消できます。代表的なパターンと対処法を確認しましょう。
直行直帰で報告が後回しになる→モバイル・音声入力でその場記録
直行直帰の現場では報告が後回しになり、記憶頼みの記録が定着します。外回りが中心だと、PCを開く時間そのものが確保しにくいためです。
訪問直後にモバイルや音声で要点を残す運用に変えれば、移動の合間に記録が完了し、報告のための残業が減ります。
配送兼任の現場は訪問時間が削られる→ルート最適化で移動を圧縮
配送を兼ねる担当者は、訪問にあてる時間を物流業務に削られます。流通の9割以上をトラック輸送に依存する食品業界では、2024年問題の影響で配送負荷がさらに高まるためです。
同一エリアの顧客をまとめて回るルート最適化で移動を圧縮したり、顧客重要度とかけあわせたエリアマップを確認して担当割り振りを見直したりすれば、削られた訪問時間を取り戻せます。
導入したツールが使われない→入力負荷の軽減と現場巻き込み
効率化のために導入したツールが、現場で使われず放置される例は少なくありません。SFA/CRMの入力項目が多く、営業担当者にとって負担が成果を上回ると感じられると、記録が後回しになるためです。入力の自動化や項目の絞り込みで負荷を下げ、導入の目的を現場と共有して巻き込むことが定着の条件になります。
営業現場でツールが定着しない原因と回避策については以下の資料で詳しく紹介しています。
資料ダウンロード>>CRMで絶対に失敗しないためのガイド:営業DXの落とし穴マップ-攻略編-
勘頼みの優先順位付け→データに基づく顧客スコアリング
ベテランの勘に依存した優先順位付けは、担当者が代わると再現できません。判断の根拠が言語化されていないと、引き継ぎや新人育成のたびに成果が振り出しに戻るためです。
売上・訪問頻度・反応などの活動データから顧客をスコアリングすれば、誰が担当しても同じ基準で優先順位を判断できます。
ルート営業効率化の実行チェックリスト
ルート営業効率化は、着手前・運用開始時・定着後の3段階でチェック項目を分けると、抜け漏れなく進められます。段階ごとに確認すべき観点が異なるため、一律のチェックでは見落としが生じます。自社の進捗に合わせて使い分けましょう。
着手前に確認する項目
着手前は、現状を数値で把握できているかを確認します。改善の効果を後で測れるよう、出発点の数値を記録しておく段階です。
- 担当者ごとの訪問頻度・移動時間・滞在時間を棚卸ししたか
- 顧客を売上や成長余地でランク分けする基準を決めたか
- 効率化で達成したい目標値(移動時間の削減幅など)を設定したか
運用開始時に確認する項目
運用開始時は、現場が新しい運用を実行できる環境かを確認します。仕組みを整えても、入力負荷が高ければ定着しないためです。
- 訪問直後にその場で記録できる入力手段を用意したか
- 入力項目を必要最小限に絞り込んだか
- 導入の目的と手順を営業担当者全員に共有したか
定着後に確認する項目
定着後は、効率化が成果につながり、改善サイクルが回っているかを確認します。記録が貯まるだけで活用されない状態を防ぐ段階です。
- 訪問対効果と売上を定期的に可視化しているか
- 月次でルート設計や優先順位を見直しているか
- 成果の出た施策をチームの標準として横展開したか
フィールドセールスのKPI設定については以下の記事で詳しく紹介しています。
関連記事>>フィールドセールスのKPI設定と管理方法|よくある失敗と効果的な指標の選び方
ルート営業の効率化を加速する方法
ツール活用をすることで、訪問計画の最適化と活動記録の自動化を同時に実現し、効率化を加速できます。手作業では限界のあるルート設計と記録を仕組みに任せることで、営業担当者は商談に集中できるためです。UPWARDの機能と実例で具体像を示します。
地図ベースで訪問計画を最適化する
UPWARDは地図ベースのUIで顧客と訪問計画を可視化し、エリアごとの効率的なルートを設計できます。流通の9割以上をトラック輸送に依存する食品業界(農林水産省 白書)では、移動の圧縮が効率化の核心です。優先順位の高い顧客を地図上で確認しながら回る順序を組めば、無駄な移動を減らせます。
活動記録を自動化し直行直帰でも漏らさない
UPWARDは特許技術の滞在検知で訪問履歴を自動記録し、モバイルや音声で活動内容を入力できます。直行直帰でも訪問の事実が自動で残るため、記憶頼みの報告や記録漏れがなくなります。記録はSalesforce連携で蓄積され、そのままデータ分析に活用できます。
ドラッグストアや量販店を巡回する食品メーカーのラウンド業務の効率化は以下で紹介しています。
導入事例>>導入事例|アサヒフィールドマーケティング株式会社
事例|クックデリの入力時間10分の1と活動可視化
高齢者介護施設向けの完全調理済み冷凍食品を手がけるクックデリ株式会社は、既存顧客フォロー、新規開拓を行う外回り営業を展開しています。UPWARD導入前は、Salesforceへの入力不足や帰社後報告による残業、記憶頼みの報告が課題でした。
導入後は入力時間が約10分の1に短縮され、訪問前後の隙間時間で活動報告が完了し、直帰の機会が増加。電話フォローの記録漏れも減り、営業活動が可視化されました。
クックデリの取り組みの詳細は以下の事例で紹介しています。
導入事例>>導入事例|クックデリ株式会社
まとめ|食品メーカーのルート営業効率化で今すぐ始めること
食品メーカーのルート営業効率化は、現場の構造的課題を踏まえた仕組みづくりで実現します。今すぐ始められることを整理します。
- 担当者ごとの訪問頻度・移動時間を数値で棚卸しし、出発点を記録する
- 顧客を優先順位でランク分けし、同一エリアをまとめて回るルートを設計する
- 訪問直後にモバイル・音声で記録し、直行直帰でも報告漏れと残業をなくす
- 訪問対効果と売上を可視化し、勘頼みの判断をデータに置き換える
- 月次でPDCAをチームで回し、成果の出た施策を標準化する
UPWARDは、特許技術の滞在検知による訪問履歴の自動記録、地図ベースの訪問計画最適化、モバイル・音声での活動入力、SalesforceなどのCRM連携で、食品メーカーのルート営業効率化を支援します。自社の現場に合うか確かめたい方は、無料相談・デモ予約からお気軽にお問い合わせください。
よくある質問(FAQ)
食品メーカーのルート営業効率化について、現場の担当者やマネージャーからよく寄せられる質問をまとめました。
Q: 食品メーカーのルート営業はなぜ効率化が難しいのですか?
鮮度・賞味期限の管理や返品対応などの付帯業務が多く、商談以外に時間を取られるためです。加えて流通の9割以上をトラック輸送に依存する食品業界では、配送を兼ねる営業担当者が物流の制約を直接受けます。
これらは個人の努力だけでは解消しにくく、訪問計画と記録の仕組み化で対処する必要があります。
Q: ルート営業の訪問計画はどう最適化すればよいですか?
顧客を売上規模や成長余地でランク分けし、ランクごとに訪問頻度を変えることから始めます。
そのうえで同一エリアの顧客をまとめて回るルートを組めば、移動時間を圧縮できます。地図ベースのツールを使うと、優先順位と訪問順序を視覚的に設計でき、最適化の精度が上がります。
Q: 直行直帰でも活動記録を漏らさない方法はありますか?
訪問直後にモバイル端末や音声入力でその場記録する運用に切り替えるのが有効です。帰社後の記録は残業と記憶頼みの不正確さを生むためです。
UPWARDの滞在検知のように訪問履歴を自動記録する仕組みを使えば、入力負荷を抑えながら記録漏れを防げます。
関連資料>>【入力1分】UPWARDの資料をダウンロードする
Q: 物流2024年問題はルート営業にどう影響しますか?
2024年4月からトラックドライバーの時間外労働に年960時間の上限が適用され、輸送力は対策なしで2024年度に14.2%、2030年度に34.1%不足すると試算されています(農林水産省 白書)。
配送を兼ねる食品メーカーの営業担当者は、この輸送力不足の影響を最前線で受けます。ルート最適化で移動を圧縮し、訪問時間を確保する対策が重要になります。