導入事例|クックデリ株式会社
安心・安全・おいしい、それでいて手間がかからない食事「完調品」をお届けする、クックデリの営業改革
企業名
業種
企業規模
課題
活用分野
本社所在地
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—貴社の事業内容について教えてください。
横山氏:
クックデリは、高齢者介護施設を中心に完調品を提供するメーカーです。「完調品」とは完全調理済みの冷凍食品のことで、クックデリでは料理研究家の監修のもと商品を開発しています。これを、栄養価などを考えながら献立とあわせて提供することで、安心・安全でおいしく食べていただけるお食事をお届けしています。
ご存じの通り、日本では急速に高齢化が進んでおりまして、それに伴って高齢者介護施設も増加しています。その一方で、人手不足という課題も発生しています。特に地方では人手不足が顕著で、そもそも施設で料理を作る人材が確保できないことも少なくありません。運よく採用できても、料理のクオリティーに利用者さまからご満足いただけない場合もあります。
このような状況でも、クックデリの完調品をご利用いただければ、高いクオリティーのお食事を少ない従業員数で提供できます。高齢者の皆さまにおいしいお食事を楽しんでいただきつつ、同時に施設側の人手不足も解消されます。
—先ほど実際に提供されているお食事をいただきましたが、とてもおいしかったです。
横山氏:
ありがとうございます。高齢者向けのお食事は塩分制限もありますし、薄味の印象が強いですよね。クックデリでは、塩分を考慮した上で味を楽しんでいただくため、さまざまな試行錯誤を重ねて商品開発をしています。その取り組みの一つが、関西の料亭とコラボレーションした「だし」の共同開発です。この「だし」を筑前(ちくぜん)煮や肉じゃがに使うことで、少ない塩分でも十分な味が出せるようになりました。
—開発した商品をどのようにお客さまへ提供しているのでしょうか? 営業活動の具体的な流れについて教えてください。
山口氏:
新規獲得の営業については、試食会で食事を実際に食べていただくことを目的に商談を進めています。一度、弊社の商品を食べていただくことで、成約に至る確率が大きく向上するためです。試食会でクオリティーに納得いただいた上で、成約まで持っていく流れが、新規顧客獲得の典型的なパターンとなります。
並行して既存顧客のフォロー、いわゆるアフターフォローも毎日行っております。営業担当が「お食事はどうですか」というような利用状況や満足度の確認をすることもあれば、水平展開を目的とした訪問も随時行っています。
課題はSalesforceへの入力不足。営業活動終了後の報告が営業メンバーの負担に
—UPWARDの導入前、御社の営業活動ではどのような課題があったのでしょうか?
横山氏:
Salesforceへの入力不足が大きな課題になっていました。営業の活動状況や、進行中の商談の様子を確認しようと思っても、そもそもSalesforceへの入力が行われておらず、誰がどこで何をしているかも把握できない状態でした。
Salesforceは顧客情報の共有ツールとしても使っていたのですが、ここでも入力不足が原因でトラブルが発生することもありました。例えば営業のアクションに対して、お客さまからカスタマーセンターにお問い合わせをいただくことがあります。このとき、Salesforceに必要な情報がないと、お客さまへの対応が遅れ、不信感を抱かせてしまいます。
とはいえ、営業メンバーも外回りから17時や18時にオフィスへ戻り、そこからSalesforceへの入力対応となると、残業せざるを得ませんでした。中には家に持ち帰って入力している従業員もおり、活動報告は負担となっていたようです。
菅谷氏:
私の担当エリアでは、合計6件のお客さまへのご訪問を目標にしているのですが、そうすると1日あたり6件分の活動報告をしなければなりません。退勤前に午前の1件目の商談を思い出そうとしても、記憶が薄れているため、入力に時間がかかります。さらに活動報告を2〜3日分ためてしまうと、時間はさらにかかる上に報告のクオリティーも下がってしまいます。正直なところ、活動報告すらも忘れ去られた商談が多数あったのではないかと思います。
営業の現場に即した地図機能が導入の決め手に。複数の地図でフェーズごとに顧客を管理
—UPWARDの導入を検討いただいたきっかけについて教えてください。
山口氏:
Salesforceの担当者さまに「うまく活用できていない、どうすればよいか?」と率直に相談したのがきっかけでした。そこで「訪問営業向きのいいツールがありますよ」とご紹介いただいたのがUPWARDさんでした。
—UPWARDのどのような点に魅力を感じられましたか?
山口氏:
スマートフォンから簡単に活動報告ができるので、営業メンバーの負担が軽減できそうだと感じました。これなら、会社に戻らなくても隙間時間を有効活用できるのではないかと。
もう一つ決め手となったのが、地図機能です。お客さまをフェーズごとにマップ上で可視化できるのがすばらしいと思いました。
これまでは、Googleマップで自分用の地図を作るメンバーもいれば、印刷した地図を持ち歩いているメンバーもいたりと、人によって使うツールがバラバラでした。UPWARDを使えば、営業メンバー全員が同じマップを見て動けるわけですから、より効果的な営業活動ができると感じました。
また、既存顧客へのサポートの効率化・改善にも期待していました。UPWARDを導入することで、タイムリーかつシンプルに出先から活動報告を入力できるようになれば、情報共有が確実に行え、より高品質な顧客サポートが可能となるのではないかと考えました。
—具体的に、地図機能をどのように活用しているのですか?
山口氏:
UPWARDでは、目的ごとに複数の地図が作成できるので、営業のフェーズごとに分けてお客さまを管理しています。具体的には、「新規商談用のマップ」、「商談進捗のマップ」、それから「既存活動のマップ」の三つです。
「新規商談用のマップ」では、営業メンバーの担当エリアに未接触のお客さまが、業態ごとにどれくらいいるかを簡単に確認できます。お客さまの数や位置をマップ上に可視化できるため、訪問計画をスムーズに立てられるようになりました。
行動管理でもマップ機能が助けになっています。これまでは、試食会のフェーズで止まっているお客さまに対してのアプローチが、営業メンバーの記憶頼りになっていました。いつ施設へお伺いしたのか、どのような反応だったのかといった話が、すぐに確認できない状態だったのです。そこで、UPWARDで「試食会フェーズで止まっているお客さま」という商談マップを作ることにしました。新規顧客にアプローチをしたら、このマップを確認して、周辺に試食会フェーズで止まっているお客さまがいないかを確認する。2年前に試食会をやったままになっているところが近隣にあれば、「そろそろもう1回行ってみるか」といった計画も立てやすくなります。
—そのほか、営業の現場でよく活用している機能などありましたら、教えてください。
菅谷氏:
個人的によく使っているのが、GPSにもとづいて現在地付近のお客さまを探す機能です。ミーティングが早く終わって隙間時間ができたり、アポが取れなくて午後の時間帯が丸々空いたりしたときでも、UPWARDなら現在地付近のお客さまを探せるので、飛び込み営業の予定もすみやかに組むことができます。
—UPWARDの利用を広げるために、どのような工夫をされていますか?
山口氏:
地図の見せ方にはかなりこだわっています。新規開拓の営業はどうしても悲壮感を帯びがちなので、少しでもゲーム性を持たせたいと考えていて。マップの表示をカスタマイズして、未接触のお客さまを宝箱にしています。
今までまったく接触したことのない、完全な新規顧客は緑の宝箱。それが見込み顧客になると赤の宝箱に変わって、それが既存顧客に変わるとダイヤモンドになっていく。宝箱を開けて宝物や経験値を手に入れるといったような、ロールプレーイングゲームの要素を盛り込むことで、営業活動に楽しさやゲーム性を感じられるようにしています。
課題の入力時間は1/10近くに短縮。訪問前後の隙間時間で入力が完了!
—UPWARD導入後、Salesforceへの情報入力は改善したのでしょうか?
菅谷氏:
はい、UPWARD導入前と比べて格段に楽になりました。
現在は、これまでとやり方を変えて、UPWARDで活動予定を立ててから営業活動を行っています。すると、スマートフォンでUPWARDアプリを開くと、お伺いしたお客さまの活動報告画面がすぐ表示されます。各訪問が終わったタイミングで通知が届くので、入力を忘れることもなくなりましたし、車の中やコンビニでの待ち時間で入力できるので、帰社せず直帰する機会も増えました。
山口氏:
入力面でもう一つ便利な機能が、お客さまへのお電話によるフォローの記録です。これまでは電話が終わったあとにSalesforceへ手入力していたので、記入漏れも多かったのですが、UPWARD経由で電話をしたり、いただいたお電話に対応したりすると、通話終了後にすぐ活動報告を入力できる画面が表示されます。お電話によるサポートも、しっかり記入してもらえるようになりました。
こうした営業活動を可視化して、頑張っていることを会社に伝えられるようになったことは、大きなメリットですね。
—新しいツールの導入となりましたが、ベテランの方も活用できていますか?
山口氏:
良い例がありまして、50歳を超えたベテランの営業が名古屋にいるのですが、その方は以前「どこで何をしているんだ」と言われていたんです。パソコンもあまり得意ではなく、活動記録を残せてなかったのが原因だったのですが、UPWARDを導入して活動報告をきっちり残せるようになったことで、トップクラスの訪問回数や商談件数をこなしていることが可視化されました。
周りの見る目は当然変わりますし、若手や他のメンバーも刺激されていく。活動が可視化され、定量的な情報として記録されることのメリットを強く実感しました。
UPWARDで表面的な課題を解決したからこそ、DXで真の課題に向き合えた
—今後DXに取り組まれる他の企業さまへ向けてメッセージをお願いします。
横山氏:
活動報告の入力不足が深刻化していたときは、「もうSalesforceをやめてしまうか」という話も社内で出ていたんです。でもUPWARDを導入して、「時間がかかるからできない」、「あとからしないといけないから面倒」といった表面的な課題を解決することで、初めて本当に解決すべき課題が見えてきました。
クックデリの場合だと、「活動報告が不十分」という課題を取り除いたあとに、Salesforceであらためてデータを分析することで、「非効率な営業活動」という真の課題が明らかになりました。そこから、どうやってアプローチ先を選ぶか、どのように提案すると効果的かというところに目を向けられるようになりました。これは、「Salesforceをやめる」という決断では気づけなかったでしょうね。UPWARDの導入で営業メンバーの負担が軽減できたことで、活動報告が増え、それにより初めてDXやSalesforceの真価が発揮できたのだと思います。
UPWARDの導入に悩んでいる企業さまには、「早ければ早いほど本当の課題解決につながる」とお伝えしたいですね。
※記事中の組織名・役職名は2023年5月時点のものです。