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【対談インタビュー】  天正12年創業、逆境の時代に挑む老舗の営業改革 〜“ならでは”の接客・営業を科学する「モバイルCRM」とは~ Vol1: 企業資産「顧客情報」の蓄積が今後を左右する

昔からの丁寧な手法で世代をまたぐ顧客との関係を育て、「着物を装う」文化を発信し続けてきた老舗呉服店「ゑり善」。新型コロナウイルスの流行による営業機会の減少、業界規模の縮小、ノウハウを持ったベテラン営業マンの定年退職、作り手の廃業の課題など、目下の状況は厳しくないとは言えません。
そんな環境下において「ならではの接客」「本質的な価値の発信」にこだわる若きリーダー、専務の亀井様は営業改革として「モバイルCRM UPWARD」の導入を決断。逆境の時代を生き抜くための武器として、コロナ禍の厳しい状況においても、契約継続を選択頂いた理由に迫るべく、UPWARD 代表取締役社長・CEO金木と、株式会社ゑり善 専務取締役亀井彬様と、「天正12年創業、逆境の時代に挑む老舗の営業改革〜“ならでは”の接客・営業を科学する『モバイルCRM』とは~」というテーマで対談の機会を設けさせて頂きました。

「ゑり善」様の信念に基づく営業改革を、UPWARDがどのように実現させていくのか、
時代の変化の波に立ち向かうすべての企業様を勇気づける対談インタビューを2回にわたり、掲載します。

Vol1: 企業資産「顧客情報」の蓄積が今後を左右する
-1584年創業の老舗「ゑり善」と、その営業スタイル
-見えない企業資産を次世代に残すことが、未来を左右する

【8月6日公開予定】

Vol2:未来を創る戦術としての営業改革
-COVID-19がもたらした価値観の変化と、営業の本質化
-デジタルコミュニケーションで補えない訪問の価値は体験共有にある
-なぜ、いま顧客情報管理に投資を行うのか

1584年創業の老舗「ゑり善」と、その営業スタイル

UPWARD :本日は、ゑり善様がどのように日々の顧客接点、営業活動をされていて、その中で、どのようにUPWARDをご活用頂いているのか等、ざっくばらんにお話をさせてください。よろしくお願いします。
株式会社ゑり善 専務取締役亀井彬様(以下亀井様):
はい。改めまして、この度はこのような機会を頂戴いたしまして、ありがとうございます。株式会社ゑり善の亀井彬と申します。よろしくお願いいたします。
弊社の紹介をさせて頂く前に、私どもにとって非常に大事な書がお店にございますので、ご紹介をさせて頂ければと思います。
弊社はゑり善と申しまして、ゑり善の「ゑり」は、いわゆる半襟と言う着物の下に着る長襦袢に取り付ける”襟”を表しており、もともとは、その半襟を中心に商いをしておりました。
この“半襟”が、日本の美意識を今に伝えている非常に重要なアイテムだと私は感じておりまして、1枚、スライドでご紹介させて頂いております。

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右側にございますのは、雉になります。非常に細やかなお柄で、全て手縫いの刺繍で柄を表現されています。実際の柄の大きさはかなり小さな、細かな絵柄になります。このような半襟を襟元につけて明治や大正の方は楽しんでいました。
左側の書は「半襟は衣裳より費を惜しまず掛けしぶらず」と、河東碧梧桐という方が書いた書(しょ)でございます。
半襟はいわゆる消耗品です。おしろいや汗によって着物が汚れないようにするためのもので、そのような消耗品においても衣装、着物よりも「費を惜しまず」、お金をかけてこれを「掛けしぶらず」。箪笥のなかに眠らせておくのではなく、たくさん使って周りの人も楽しませましょう、という言葉だという風に伝えています。
見えないところのお洒落という日本人らしい美意識
に非常に感銘を覚えております。
私どもの創業が天正12年、1584年ですので本能寺の変の2年後に創業されたということになります。
株式会社にしたのは、戦後、昭和22年。物がなかなかない時代においても、人々に必要とされるものを提供する、という志の下、会社を設立いたしました。

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弊社の企業理念でもある「正しい商い」と書いて「正商」という言葉が会社に染み込んでおります。そして、企業のミッションは「着物を装うという文化を発信する」でございます。

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販売して終わりということではなくて、長く着物を楽しんで頂く、その文化を発信することが私どもの大きな役割である認識しております。
私は、京都出身の33歳。大学を卒業してからは、いわゆるシステム会社で勤務をしておりました。結婚を機に、家のルーツやこの業界の厳しい状況を知り、何とか後を継ぐ者として業界に貢献できればとの想いで転職を決意しました。

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UPWARD株式会社 代表取締役社長金木(以下、金木):ありがとうございます。本日は夏用のお着物をお召しになられていますね。大変素敵ですね。
先ほど、ゑり善様の事業概要をお伺いさせて頂きましたが、弊社のサービス、「UPWARD」を導入するまで、どのようなスタイルで営業をされてきたか、例えば、お客様とどのように関係構築や営業活動・管理などをされてきたのかをお聞かせ頂けますか。

亀井様: 弊社のお客様との接点は大きく3点ございまして、まずは店舗での接点。それから催事や展示会など、場所をお借りして、広くお客様に着物をご覧頂くこと。3つ目が、お客様の家にお邪魔するという「外商」という顧客接点になります。

金木: 基本的に直接お会いする「オフラインの顧客接点」というところが中心だと思うんですが、御社の営業の方々は、どういったスキルや経験などが必要になるのでしょうか。

亀井様: まずは、お客様のお役に立ちたいという気持ちが非常に大事だと思います。それから、お客様の着物に対する「想い」を聞き出す、ヒアリング能力、というのも重要だと考えています。
ヒアリングした上で妄想力というか、こんなシーンに、こういうものをお召になったら良いんじゃないか、など、「イメージする力」が必要だと考えています。

金木:お客様への情熱や想いをベースに、お聞きした情報などから「お客様をイメージしていく力」が必要ということですね。
そういったリテラシー育成というか、実際に営業の方をどう教育されているのでしょうか?

亀井様:そうですね。弊社の教育方針は「気付きと実行」です。
一方的に会社から与えるかたちはなくて、気付いたことを実行して自分なりに勉強していきましょう、が我々の基本的な教育スタンスになっています。

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担い手不足の時代に
営業組織はどう対応すべきか?

PDF 18ページ

UPWARDサービスご紹介資料

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見えない企業資産を次世代に残すことが、未来を左右する

金木:お客様とのやりとりや対応した記録の、会社としてのマネージメントというのは今までどういう形でやられていたんですか?

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亀井様:会社としてのマネージメントという意味では、非常に遅れてはいるかなと思っております。
これまでは、個人の記憶であったり、各自の書きやすいような方法で書き留めたりが殆どを占める形でした。
口頭ベースで、こういう状況にありますという進捗状況を共有したりはしていましたが、全社的に情報として集約、蓄積する、という仕組みはしっかりとできていない
というのが現状です。

金木: なるほど。
お客様とのやりとりについてですが、営業以外ですと、ちょっとしたお問い合わせや、すぐに売り上げに繋がるもの以外の顧客接点もたくさんあるのでしょうか。

亀井様:そうですね。例えば、おばあ様の着物が出てきたけど、ちょっとカビが生えてきているので、お手入れはどうやったらいいのかな…など、そういったご相談は日常的に頂きます。
むしろ、そういった接点が商売(売上に繋がる営業)のベースであるかも
しれません。

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金木:亀井専務はIT業界からこの業界にいらしたとこともあって、若きリーダーとして、UPWARDという僕らのアプリケーションに限らず、業務管理の仕組み化、システム化、というところに挑戦されていると思います。
そこにはどういった想いや必要性を感じてらっしゃるのか
お話し頂けますか?

亀井様:まずは、お客様との接点が非常に多岐に渡ってきているという点です。
今までは訪問、お電話、お手紙が中心でしたが、今ではメールやLINEやインスタグラムなどでも接点を持つ可能性が増えてきました。
会社としては、どのような接点においても、お客様との窓口になれるように対応しなければならない。
次の世代に受け継ぐという意味でも、ベテランのノウハウがあるうちにシステムづくりに取り組んでいかないといけない
と思っています。

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金木:デジタル世代の若い世代はむしろ「システム化」に抵抗感は無いでしょうね。

亀井様:むしろ「もっとこうやった方が便利ではないか」ってお尻をたたかれる方が多いので…そういう意味での若い世代のモチベーションを保つためにも、少しずつですけど、便利にしていかないと…とも思っております。

金木:そんな中でUPWARDの機能の魅力や、必要性をどのように感じたのか…導入・選択された理由を簡単にお聞きしてもよろしいですか?

亀井様:弊社は、今までご縁のあったお客様が非常に多くいらっしゃるのですが、会社として大切なお客様の情報を整理できていなかったことを実感しています。
お客様がどのような経緯でお求めになられたのか、その後どのようにお使い頂けているのか、どのような点が課題となっているのか、長くお付き合いする上で会社として情報を蓄積させていかなければならない
と、感じるようになってまいりました。
そこで、きちんと情報を溜め込んでいけるツールはないかなというところを探しておりました。
一方で、一部の社員には、パソコンで入力をすることは非常にハードルが高かったので、スマホで簡単に報告ができるというところを軸に探しておりました。
その上で地図上にマッピングをするというところで、日々、車での営業活動を行っておりますので、マップとリンクした顧客情報という点が非常にニーズとマッチしました。

金木:ありがとうございます。マップに表現したいお客様の状況や情報というのは、具体的にどんなものですか?

亀井様:しばらく会いに行けていないお客様に対しても定期的にご提案をすべきだと考えておりますので、どれだけ訪問の期間があいているのかという点は、しっかり記録すべきだと思っています。
あとは、限られた人数で効果的にお客様に価値を提供するという意味で、様々な場所にいらっしゃるお客様に対して皆が動きやすいようにするというのも非常に重要と感じています。

金木:我々もそういう思いでつくっているのですが、やはり直観的でないと現場の方に使って頂きにくい。
いかに機能が優れていても現場で使ってもらえないと正直意味がない。使ってさえ頂ければ状況が見えてきて会社としても状況把握できるようになるという点は、我々のアピールポイント
の一つです。

UPWARDを導入してから現場で変化みたいなものはありましたか?

亀井様:日々の動き方が成果に繋がっているという点が少しずつ目に見えるようになってきて、次はこういったお客様に廻ろうかななど…より前向きな意見が出てくるようになりました。

金木:なるほど。現在はまだ、どんなデータを可視化したいかや、どんなデータを入れてもらいたいか、などを現場で試行錯誤しているような段階ですね。

亀井様:はい。まだまだ、そういう意味では導入のスタート地点から一歩二歩、歩いたぐらいかなという風には思っております。

【VOL.2未来を創る戦術としての営業改革】に続く

対談者プロフィール

株式会社ゑり善専務取締役亀井彬

株式会社ゑり善専務取締役亀井彬
京都出身。1987年(昭和62年)生まれ。33歳。私立同志社大学商学部商学科 卒業。ゼミではフィールドワークを中心に、創業100年を超える京都のファミリービジネスの事業継承について研究。大学卒業後 東京のIT企業にて勤務。業種に特化したパッケージシステムの開発やシステム提案に従事する。結婚を機に家族のルーツを深く知る中で、現在の呉服業界の危機的状況をなんとかしたいと思い、転職を決意。現在、お客様との着物談義を繰り返しながら、日本文化の奥深い魅力を再認識する毎日。趣味は日本各地を廻り、その土地の風土と伝統品に触れること。

UPWARD株式会社代表取締役社長CEO金木竜介

UPWARD株式会社代表取締役社長CEO金木竜介
1973年東京都生まれ。LBS(位置情報サービス:location-based service)やGIS(地理情報システム:Geographic Information System)に精通し、これまでに200以上の関連システムを構築。国内初となるSalesforceと地図や位置情報を高度に連携させた、次世代型営業支援SaaS「UPWARD(アップワード)」を創業。現在、大手企業を中心に300社以上に導入されており、フィールドセールス向けのクラウドサービスとしては国内トップシェアを誇る。

公開スケジュール

8月5日(水)公開
Vol1: 企業資産「顧客情報」の蓄積が今後を左右する
-1584年創業の老舗「ゑり善」と、その営業スタイル
-見えない企業資産を次世代に残すことが、未来を左右する

8月6日(木)公開
Vol2: 未来を創る戦術としての営業改革
-COVID-19がもたらした価値観の変化と、営業の本質化
-デジタルコミュニケーションで補えない訪問の価値は体験共有にある
-なぜ、いま顧客情報管理に投資を行うのか

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