会社の収益を支える既存顧客に対しては、新規開拓とは異なるアプローチが必要です。既存顧客からのリピートが多いと、それだけ企業の収益性と安定性が高まります。ここで押さえておきたいことが、リテンションに基づいた営業活動です。本記事では、リテンションとは何か、既存顧客に対する営業との関係性や押さえておきたいポイントを詳しく解説します。
リテンション営業とは?既存顧客への営業をかける際のポイント
リテンションとは
リテンションは、日本語に訳すと「保持」や「引き留め」などを意味します。ビジネスにおいて、どのような意味合いを持つのか、今ひとつわからない方もいるでしょう。リテンションの意味を把握し、適切に取り入れることが大切です。
営業におけるリテンションとは
営業におけるリテンションとは、既存顧客との良好な関係を維持するための営業活動全般のことです。マーケティングや人事(人材流出防止の施策)などにも用いられる言葉で、いずれも「流出防止」という意味で使われます。
既存顧客が離れてしまうと、企業の基盤となる収益が低下します。新規開拓で収益を上げることで、既存顧客からのリピートが少なくても収益を維持できますが、そう簡単には成約につながりません。
また、新規顧客獲得には時間や労力、資金が必要なため、高いコストがかかります。そして、新規開拓に成功しても、利益率が比較的低いため、リテンション営業よりも新規開拓営業を優先する理由がありません。
これらを踏まえると、既存顧客からのリピートを基盤にして、新規開拓で収益をさらに高めていくことが安全策と言えるでしょう。また、既存顧客からのリピートを得て、商品やサービスのフィードバックを受けられると、品質向上につながります。その結果、新規開拓の成功率が上がる、というわけです。
新規開拓営業も重要ですが、既存顧客に対するアプローチや関係維持のための営業は、さらに重要と言えるでしょう。
リテンション営業のポイント
リテンション営業の質が高いと、それだけリピート率が上がります。既存顧客のリピート率を上げるには、次のようなポイントを押さえましょう。
丁寧な対応とサポートを継続する
営業時だけではなく、成約後にも丁寧な対応とサポートを継続することが大切です。成約後に態度が悪くなるようでは、リピートにはつながりません。定期的に商品やサービスの質について確認し、必要に応じたサポートが求められます。
リピートにつながるのは、このような信頼の積み重ねの賜物です。次の成約でも良い商品やサービスを提供できれば、さらに信頼関係が強くなり、大きな商談も成立しやすくなるでしょう。
メールやDMで情報を伝える
メールやDMで商品やサービスの情報を伝えることで、リピートにつながる可能性があります。また、商品やサービスに関係する時事ネタやお役立ち情報を伝えることも大切です。直接、成約につながらなくても、情報発信によって接触回数が増え、自社や商品・サービスへの理解が深まれば、リピートにつながりやすくなるでしょう。
優良顧客限定のキャンペーンを開催する
継続的なリピートや大量発注をしてくれる優良顧客に対しては、特別キャンペーンを開催することもおすすめです。特典がついたり割引が適用されたりするキャンペーンを開催すれば、購買意欲を高めることもできます。
また、特別なキャンペーンであると伝えることで、信頼関係の強化につながるでしょう。このような、リピートしたい気持ちを高める施策は、リテンション営業として積極的に取り入れたいところです。
ただし、大きく割引すると、結果的に得られる利益が少なくなるため、さらなるリピートにつながる可能性が高い場合に限り、割引率を高く設定することをおすすめします。
SFA・CRMで既存顧客営業を効率化
リテンション営業の質を高め、回数を増やすことで、リピート率を高めることが可能です。そのために、SFA・CRMの導入をおすすめします。
SFAは「営業支援ツール」、CRMは「営業支援システム」の略です。
SFAとCRMは連携が可能で、たとえば、CRMに顧客情報を登録することで、現在の進捗やリテンション営業の頻度、前回の訪問日などが一目でわかるようになります。アラート機能が搭載されているSFAであれば、リテンション営業が漏れてしまう心配がありません。
さらに、「UPWARD」のようなマップ上に住所が可視化する機能を備える営業支援ツールであれば、最適なルートが自動生成されるため、効率的な営業が可能です。既存顧客営業を効率化できれば、短時間で多くの既存顧客に営業をかけられるため、リピート率を高められるでしょう。そうすると結果的に、新規開拓にかけられる時間も増え、企業の収益性と安定性の向上につながります。
営業管理の機能を備えるSFAツール「UPWARD」が5分でわかる
おわりに
リテンション営業は、既存顧客にアプローチをかけて、良好な関係を維持するための手法です。繰り返しリピートする既存顧客と強い信頼関係を築くことで、企業の収益性と安定性を高められます。既存顧客に合わせたアフターフォローやサポート、限定キャンペーンなどさまざまな手法を取り入れて、リピート率を高めましょう。