製造業が抱える6つの課題
まずは製造業が抱えている6つの課題について深堀していきます。
就業者の減少による人手不足
ITの発達による顧客ニーズの変化
書類が多く営業活動の効率化ハードルが高い
営業や製造・購買・物流部門の連携
過剰在庫を抱えるリスク
シェア維持・拡大の最適な顧客訪問
(1)就業者の減少による人手不足
経済産業省が発表した「2022年ものづくり白書」によると、製造業界の就業者は年間で約157万人も減少しています。またそのうち若年就業者は121万人減少と、若手人材の不足が顕著となっています。また令和5年6月に発表された「2023年ものづくり白書」によると、高齢就業者は20年間で32万人増加の一方で、女性就業者数は20年間で91万人減しています。
出典:経済産業省 – 『2023年ものづくり白書』
こうした背景もあり製造業では約11万人の人材不足が課題として挙げられており、製造業は残業が多いといったマイナスのイメージや、技術継承の難しさから人材不足が深刻化しています。人手不足の観点からもCRM導入による一人あたりの生産性を高めていくことは、製造業においては非常に重要なポイントといえます。
(2)ITの発達による顧客ニーズの変化
ものづくり大国と呼ばれていた日本の製造業界は高品質な商品を製造することで、顧客ニーズを満たしてきましたが、近年はITの発達により市場のコモディティ化が進んでいます。そのためいかに高付加価値の商品を生み出すかが課題となっており、購入した商品をどのような場面で活用し、どのような体験を提供できるかという実利的な価値を商品に求めています。これまでは高品質な商品に価値がありましたが、現在の顧客ニーズは体験にシフトしており、消費者の満足度を高めるための情報分析はかかせないものとなっています。
(3)取引先毎で異なる複雑な顧客情報の管理
製造業は取引先顧客によって取引条件や製品仕様など、さまざまな情報が複雑に絡み合っています。そのため顧客情報が整理されていないと情報共有漏れや、販売データの重複といったトラブルが発生します。CRMでは商品マスタを設定することで可能で、取引先毎に見積書や販売商品・契約情報などの商談に関する情報を一元管理できます。こうした情報は営業部門だけでなく生産・購買部門に共有することで、業務効率を高めトラブルの防止にもつながります。
(4)営業や製造・購買・物流部門の連携
製造業では営業部門と製造・購買・物流部門との連携が適切に行われていないことも、よくある課題の1つです。部門間連携が適切にできていない場合はトラブルにつながることもあり、例えば「営業が単納期の受注を受けた」、「営業が製造部門に情報確認を行ったが、なかなか回答が来ない」といったケースです。こうした顧客に関する情報共有ができていないと、納品計画に支障がでる・連絡が遅くなることで受注できないといった、機会損失につながります。また営業担当から顧客への回答が遅くなれば、信頼低下を招くことにもなりかねません。
(5)過剰在庫を抱えるリスク
製造業界では過剰在庫となってしまうと流行やトレンド変化により、商品価値が下落したり、品質が低下したりリスクがあります。また商品管理の観点では人的コストや保管場所・光熱費といった管理コストも発生し、仕入れ代金を回収できずに、キャッシュフローを圧迫する可能性もあります。過剰在管を抱えないためにも顧客ニーズを把握して、不要な生産・製造を行わないことも重要です。
(6)シェア維持・拡大の最適な顧客訪問
製造業界やメーカーの営業活動はルート営業と呼ばれ、取引先に一定の頻度で訪問しニーズを引き出すことでシェアの維持・売上拡大を行っています。しかしCRMを導入していなければ営業担当者の感覚だよりな属人的な営業となり、新しい営業担当が入社した際は、どの顧客に対して優先的に訪問すべきなのか瞬時に把握できません。取引先への適切な訪問頻度や顧客ランクを可視化し優先度付けができてないと、訪問活動が売上にインパクトを出せず、生産性が低いままとなります。
そのため営業活動の最適化という観点ではUPWARDなど地図上に取引先を表示し、顧客の優先度を可視化し、訪問活動を最適化していくことが重要です。
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製造業のCRM(顧客管理システム)導入5つのメリット
製造業でCRMを導入するメリットは下記の5つです。
顧客ニーズの的確な把握
一元管理による部門間の情報共有・連携強化
売上予測が立てられる
活動報告時間の短縮・コスト削減
顧客訪問の最適化による売上の拡大
(1)顧客ニーズの的確な把握
製造業でCRMを導入する1つ目のメリットは、顧客ニーズを的確に把握できる点です。上述のように多様化する顧客ニーズを把握し、トレンドに合わせたものづくりを行うにはCRMの活用が有効です。CRMは顧客属性や購買情報・取引・販売実績の記録に加えて、情報の分析が可能です。分析データを活用することで、新商品や商品の改善といったマーケティング戦略に活かせます。
(2)一元管理による部門間の情報共有・連携強化
製造業でCRMを導入する2つ目のメリットは、部門間の情報共有・連携強化ができる点です。製造業では営業部門から生産部門・製造部門まで、さまざまな部門との連携が重要です。これまでは異なる部門間での連携は、メールやビジネスチャットなどに顧客情報や案件情報・資料を添付していました。
しかしCRM(顧客管理システム)を導入することで、各部門が1つのシステムにアクセスすることで情報共有が容易になります。またさまざまな部門担当者がログインできるため、タイムラグやコミュニケーションコストも削減できます。加えて顧客からの要望やクレームといった顧客の声も蓄積ができ、営業部門だけでなく前者で顧客ニーズを把握し情報共有が可能になります。商品に関する改善や新商品に関するアイディア出しの観点でも、スピード感を持って施策を実行ができるでしょう。
(3)売上予測が立てられる
製造業でCRMを導入する3つ目のメリットは、売上予測が立てられるという点です。CRM(顧客管理システム)には購入日・購入頻度・金額から顧客ランク付けを行うRFM分析や、売上分析・行動分析といった機能が存在します。CRMに蓄積した顧客データをダッシュボード化することで、どの商品がどれくらい購入されているかがリアルタイムに把握できます。購入サイクルも可視化できるため、必要な製造量や出荷時期もある程度予測が可能です。
(4)活動報告時間の短縮・コスト削減
製造業でCRMを導入する4つ目のメリットは、外出先時の訪問活動報告に関する時間を削減できる点です。製造業やメーカー営業の場合は基本的に外出していることが多く、1日に何件も訪問することが多いでしょう。しかしオフィスにわざわざ戻ってPCで活動報告を行なうと、残業が増え疲弊してしまいます。例えばUPWARD のCRMを活用すれば、滞在検知機能により訪問企業の活動ログを自動的に生成し、スマホから簡単に活動報告が可能です。
音声入力にも対応しているため、オフィスに戻ってCRM入力を行う手間から解放することができ、CRM導入で一番の課題である営業のデータ入力を解決できます。
(5)顧客訪問の最適化による売上の拡大
製造業でCRMを導入する5つ目のメリットは、顧客訪問の最適化で売上拡大が図れる点です。UPWARDでは地図上に自社の要件に合わせて顧客ランクを設定した優先顧客を表示し、未訪問企業を可視化し訪問頻度を担保することで、売上の拡大・顧客シェア維持の維持が可能です。
売上ランクを色分けし訪問数が少ない取引先を大きく表示させるため、フォローアップを漏れを防止できます。ルート検索機能もついているため、最適な訪問ルートもナビゲートしてくれます。
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製造業向けCRM(顧客管理システム)の選び方・5つのポイント
製造業向けCRMの選び方のポイントは下記の5つです。
ERPや在庫管理システムとの連携
モバイルアプリの操作性・使いやすさ
セキュリティ性
導入のサポート体制
一部の部門導入などスモールスタートが可能か
(1)ERPや在庫管理システムとの連携
製造業向けCRMを選ぶ際の1つ目のポイントは、既存システムとの連携です。製造業やメーカーではERP(基幹システム)や在庫管理システムを導入しているでしょう。既存システムとの連携ができなければ、情報の二重入力が発生したり、システムのメンテナンスが必要となり手間や工数が増えることになります。そのため導入する前にはどのようなシステムと連携できるのかを確認しましょう。
(2)モバイルアプリの操作性・使いやすさ
製造業向けCRMを選ぶ際の2つ目のポイントは、モバイルアプリの操作性や使いやすさです。上述でも触れましたがCRM導入で課題となるのが、営業のデータ入力です。実際にCRM導入企業で営業担当者が活動報告を行わない理由のトップは、「データ入力に関する手間がかかる」という点です。
出典:UPWARD – 営業活動の記録を行わない理由
製造や生産管理部門であれば外出することも少なく、オフィスや事業所にいるため、入力がストレスになることはないでしょう。しかし一日中外出している可能性がある営業の場合は、外出先からでもスマホで簡単に活動報告・受注報告ができる仕組みが非常に重要です。CRMはデータが蓄積されれば分析やマーケティング・営業戦略立案など、非常に便利なツールですが、情報が蓄積されなければ効果を発揮しません。UPWARD のCRMであれば外出先からでもスマホで簡単に活動報告が可能なため、一番の課題である入力の手間・ストレスから解放し、営業データの蓄積が可能です。
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(3)セキュリティ性
製造業向けCRMを選ぶ際の3つ目のポイントは、セキュリティ性です。CRMには顧客の個人情報やビジネスデータといったさまざま情報が蓄積されています。近年のCRMはクラウドサービスが一般的となっていますが、まだオンプレミス型と比較するとセキュリティ面に関する懸念は残っています。そのためセキュリティ面に配慮したCRMベンダーを選ぶのが重要です。例えばUPWARD では情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)という国際標準規格「ISO/IEC27001:2013 / JIS Q 27001:2014」の認証を受けています。オンプレミス製品は初期コストも非常に大きいため、セキュリティ面も配慮されているCRM製品を選ぶようにしましょう。
(4)導入のサポート体制
製造業向けCRMを選ぶ際の4つ目のポイントは、導入時のサポート体制です。CRM導入の初期段階はさまざま要件定義を行い、どのようなデータと連携させるか・どんな項目を作成しカスタマイズするかといった部分も非常に重要です。初期構築の要件定義から、しっかりと寄り添ってくれる営業単担当がつく会社を選びましょう。またCRMは導入して終わりではなく、しっかりと活用ができるよう社内で定着させる必要があります。そのため営業担当やカスタマーサポートが丁寧にフォローしてくれるCRMベンダーを選択しましょう。
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(5)一部の部門導入などスモールスタートが可能か
製造業向けCRMを選ぶ際の5つ目のポイントは、スモールスタートが可能かという点です。製造業でCRMをはじめて導入する場合は、初期から全ての部門で導入せず、試験的運用を行うことも多いでしょう。スモールスタートが可能であれば検証ができることに加えて、初期投資を抑えて導入が可能なため、少人数や一部の部門で導入するといったこともできるのでおすすめです。無料トライアルを実施しているCRMも多くあるため、まずは気になる製品がある場合は営業担当者に問い合わせを行い、トライアルの有無について確認しましょう。
製造業向けおすすめCRM(顧客管理システム)料金比較6選
UPWARD 月額1,800円~・アプリで簡単活動報告・地図上に顧客優先度を表示
UPWARDは月額1,800円/IDから利用ができる、製造業やメーカーに訪問営業に特化したCRMです。取引先情報を地図に可視化し、顧客ランクを設定することで最適な訪問活動を実現できます。
優先度を地図上に表示ができ営業担当がいくべき顧客を可視化し、訪問漏れ・フォローアップ漏れをなくすことができます。重点顧客の設定は各社のロジックを指定できるため、さまざまな企業に合わせて設定が可能です。また大手企業での導入事例も豊富で、株式会社クボタ・ダイハツ工業株式会社など、大手製造・メーカーでも導入されています。導入実績はこちら 。
加えて特許技術である滞在検知機能を活用して、訪問した取引先の活動ログが自動的に生成され、営業担当はスマホから複数回タップるだけで簡単に活動報告の記入が完了します。名刺スキャン機能も実装されるため、名刺情報と取引先の紐付けを行いたい企業や営業担当者がCRM入力を行わずに「データが蓄積されない」といった不安や、課題を抱えている製造業やメーカーにおすすめのCRMです。
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Salesforce Sales Cloud
SalesforceSalesCloudは外資系企業であるセールスフォースドットコムが提供しているCRMです。企業規模や業界・業種を問わずさまざまな企業で利用されており、細かな設定もカスタマイズできるため、製造・メーカー企業にもおすすめの製品です。
eセールスマネージャー
eセールスマネージャーは継続率95%ほこるCRMで、導入後のコンサルティングも充実しています。業界や業種を問わず5,500社で導入されており、一度の活動報告で案件・顧客情報・予実管理表にデータが反映されます。
GENIEE SFA/CRM
GENIEE SFA/CRMは29,800円/月(10ユーザーまで利用可能)と比較的金額が安いCRMです。業界や業種を問わず幅広い企業で利用されており、6,300社以上で導入実績があります。
Microsoft Dynamics 365
Microsoft Dynamics 365はマイクロソフト社が提供しているCRM製品で、ERP機能も搭載しているため、製造業界やメーカーで基幹システムの乗り換えを検討している企業におすすめです。CRM内にアプリが搭載されているため、さまざまな組み合わせで業務効率を高めることができます。
Mazrica Sales
Mazrica Salesは月額27,500円~/5ユーザーから利用ができる価格帯の安いCRMです。現場ファーストな思想をもとに設計されており、AIが進行中の案件についてリスク分析や類似い案件の提示を行い行います。OCR機能が搭載されているため、名刺スキャンも簡単に行うことができます。
製造業向けCRM(顧客管理システム)の導入事例
次は製造業でのCRM導入事例について紹介していきます。
(1)クックデリ 活動報告の短縮・効率的な顧客訪問
クックデリは、高齢者介護施設を中心に完調品を提供するメーカーです。「完調品」とは完全調理済みの冷凍食品のことで、クックデリでは料理研究家の監修のもと商品を開発しています。クックデリではUPWARD を導入していますが以前はSalesforceを利用しており、営業担当の入力が課題となっていました。外回りから17時や18時にオフィスへ戻り、そこから入力作業となると、残業せざるを得ない状況で持ち帰って入力している従業員もいました。
UPWARDではスマホからの簡単入力が可能なため、会社に戻らず活動情報の記入ができるため導入をしています。またGoogleマップの地図を利用している・印刷した地図を持ち歩いている方もおり、人によってツールがバラバラでした。UPWARDの地図機能を活用し「新規商談用のマップ・商談進捗のマップ・既存活動のマップ」の3つのフェーズで管理を行い、スムーズな訪問計画を実現しています。
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(2)クボタ 訪問活活動を地図上に可視化
クボタでもセールスフォース・ドットコムのCRM「Force.com」を2016年に導入しましたが、農家さんは通信の整っていない環境にもいるためモバイルでも扱いやすいサービスを探していました。そのためスマホに慣れていないベテランでも、シンプルで直感的に使えるUPWARD を追加導入しています。スマホから顧客情報を参照できるようになり、分厚い地図帳やカタログを持ち歩いたり、マネジメントのために情報を印刷した地図に書き込んだりする作業が不要となっています。
また地図上に重点顧客を可視化することで、優先度付け・活動漏れの防止もつながり、自然災害で農業被害を被った際は、農家の被害状況をUPWARDでいち早く全社で共有し、復旧するまでフォローするといった使い方もしています。
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(3)クレハ ラウンダーの入力業務不可を軽減
クレハでは直行直帰での業務のため、日報や活動の管理には自社向けにカスタムしたシステムを使用していました。しかしシステムへの日報入力時刻が業務時間外になっているケースも見られ、下記のような課題が浮き彫りになりました。
日報を書くのに30分以上かかっているラウンダーが4割近く
かつ、自宅に戻ってから入力を行なっているラウンダーが9割以上
一生懸命入力しても、営業からのレスポンスがほとんどない
また「文字数を埋めるために文章をじっくり家で考えないといけない」といった不満もありましたが、Salesforceとの紐付けも可能なUPWARD を導入しラウンダーの入力工数を削減しています。
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製造業向けCRMならUPWARDがおすすめの3つの理由
(1)外出先からでも簡単に使えるモバイルアプリ
UPWARD はスマホアプリから誰でも簡単に活動報告ができる画面になっており、若手社員だけでなくベテランの方でも分かりやすい直感的なデザインになっています。そのため導入事例の課題にもあったような外出先からオフィスに戻り、PCで報告作業を行うといった手間から解放されます。
(2)滞在検知による活動報告の効率化
UPWARD では滞在検知という特許技術により訪問した取引先の活動ログが自動的に作成され、営業担当者は訪問後にスマホでタップするだけで簡単に報告が可能です。営業の活動報告で時間がかかっている・残業時間が問題になっているといった企業には最適なCRMです。
(3)顧客ランクの可視化による最適な訪問管理
またUPWARD は地図上に取引先情報を可視化・顧客ランクを設定ができるため、属人的な営業活動ではなく、若手社員であっても優先顧客を重点的に訪問する仕組みで運用できます。訪問活動が売上にリンクしていない・属人的な営業活動になっており、若手社員がパフォーマンスを十分に発揮できてないと感じる製造業やメーカーにおすすめです。
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