コロナ禍で「営業はいらない」と言われる3つの背景
コロナ禍やテクノロジーの進展において、営業マンを取り巻く環境は激変しました。
「営業はいらない」とまで言われるようになった背景には、どのようなものがあるのでしょうか?
コロナ禍における営業マンの変化と課題を見てみましょう。
訪問営業や外回り営業が避けられている
営業マンの重要なミッションの1つは、お客様と対面して課題をヒアリングし、自社製品を提案することです。しかし、このミッションの実現がコロナ禍で一時的に非常に難しくなりました。
感染リスクを懸念して、できるだけ人と人との直接の接触を控えたい企業や顧客が増えており、主軸が訪問からオンライン商談や電話に移行し、引き続きハイブリッドスタイルが求められています。
営業マンは人との接触回数や移動時間が多いため、感染リスクが高いと思われてしまい、不要不急の訪問や飛び込み営業が忌避されてしまう傾向があります。
オンラインで得られる情報量が増えている
今やBtoBビジネスにおいても、ホームページやWebサイトを持っていない企業はほとんどありません。
また、ツールの比較検討サイトや口コミサイトも多く、SNSでもリアルな口コミデータや情報交換ができる時代です。
顧客はオンラインでほとんどの情報を得ていて、Webサイトに問い合わせが来た段階では既に7割の情報収集が終わっているといわれています。
また、そこに更に簡単に、見積もりの作成フォームや詳細な資料、オンライン商談ツールなど、オンラインで購入できるシステムを取り入れることで、ますます営業マンが訪問して情報を提供する必要性は薄まっています。
大量生産、大量消費の時代は終わり、商品が多様化している
かつては機械などの商材を、コストを抑えるために大量に生産し、顧客や消費者もより安いものを大量に購入する時代でした。
しかし今、顧客や消費者のニーズは多様化し、企業側の生産技術も向上したことで、よりニーズにマッチした商品が選ばれるようになっています。
ほとんどの市場も飽和しており、商品が多様化しているので、営業マンが「これは絶対に良いですよ、お客様のニーズに合いますよ」と勧めたとしても、以前より顧客はその言葉を信じにくい環境になっています。
コロナ禍でも必要とされる営業マンの特長
コロナ禍における営業マンの変化や課題を踏まえて、今後、「営業はいらない」と言われないために、どのように活動すれば良いのでしょうか?
このニューノーマル時代において、コロナ禍や頻繁に会いに行きづらい状況下でも必要とされる営業マンの特長について解説します。
複雑化した顧客のニーズに応えられる
ホームページやWebサイト、SNSでの口コミなど、オンラインで得られる情報は増えていますが、企業それぞれが抱えている悩みは多かれ少なかれ異なる点があります。
オンラインには1対1のコミュニケーションのための情報ではなく、より多数の見込み顧客のニーズを引き出すための情報が載っているため、オンライン上の情報だけで「まさにこの企業が課題を解決してくれる」と確信を持つ顧客は多くありません。
そこで必要になるのが、1対1で顧客の課題を引き出し、ニーズに沿った提案をすることができる営業マンです。
オンライン商談でも1対1のコミュニケーションは可能ですが、大企業になればなるほど、初対面の相手に対し、オンライン上で自社の課題や問題点を話すことを避ける傾向にあります。
オンライン商談で情報交換は出来たとしても、本質的な課題や悩みを打ち明けるようになるまでのステップに、対面での顧客接点は欠かせません。
オンライン上でやりとりをした情報を元に、対面で本質的な課題を探り出し、それらを解決に導くことが出来る営業マンが、企業の差別化にもつながる存在です。
すべての顧客接点の記録をつけている
移動や訪問機会の多い営業マンにとって、感染症のリスクは常に隣り合わせです。
手指の消毒やマスクの着用など、感染対策を講じるのはもちろんのこと、「もし、明日ウイルスに感染したとしても、いつ、誰とどこで会ったかすべて記録している」という営業マンと、「2週間前、どこにいたのか分からない」という営業マンでは、信頼性が大きく異なります。
また訪問に限らず、電話やメールなどと合わせて顧客接点の記録をつけることで、過去に顧客が何を話したのか、どのようなニーズがあるのかを細かく把握できます。
オンライン化していく時流を逆手に取り、デジタルとオフラインの接点記録を活用し、訪問機会の価値を最大限に引き上げられる営業マンこそが、ニューノーマル時代に「営業はいらない」と言われない存在になり得ます。