製造業にとって最も重要な経営課題は「高品質のモノづくり」であることは言うまでもありません。しかし、良いモノを生み出したからといって、必ずしもそれが爆発的に売れるとは限らないのが現実です。その一方で、モノづくりにばかり注力し、営業活動をおろそかにしてしまう製造業が後を絶たないという事実もあります。そこで本記事では、製造業にとっての営業活動の課題、そして、製造業が営業活動に注力し、より業績を上げるためのSFA/CRMの活用方法についてご説明いたします。
製造業にとって最も重要な経営課題は「高品質のモノづくり」であることは言うまでもありません。しかし、良いモノを生み出したからといって、必ずしもそれが爆発的に売れるとは限らないのが現実です。その一方で、モノづくりにばかり注力し、営業活動をおろそかにしてしまう製造業が後を絶たないという事実もあります。そこで本記事では、製造業にとっての営業活動の課題、そして、製造業が営業活動に注力し、より業績を上げるためのSFA/CRMの活用方法についてご説明いたします。
目次
製造業といってもさまざまなカテゴリーがあります。食品や雑貨、薬品、自動車、産業機械、プラントなど幅広く、総務省が規定する日本標準産業分類では、およそ24業種です。また製造業の営業活動においてもさまざまで、BtoBもあればBtoCもあります。
ただし、どの業種の製造業にも共通しているのが、品質の高い確かなモノづくりが重要であるということ。モノが悪ければ売れるものも売れません。
とはいえ、モノが良ければ売れるかというとそうではなく、どれだけハイクオリティな商品を作ったとしても、営業活動がおろそかだと期待するほど売れないという状況に陥ります。「良いモノを作っただけでは売れない」というのが製造業の共通課題です。
それをわかっていながら、多くの製造業はモノづくりを重要視し、営業にはあまり力を入れない傾向にあります。それは営業の人員体制だったり、あるいはIT化だったりと企業によって異なりますが、いずれにせよ営業組織に対する投資が後回しになりがちというのが、いわば製造業の「あるある」。
逆に言えば、製造業が営業組織改革に注力すれば、一気に他社よりも優位に立つことができるということです。
では、製造業が営業力を高めるには、営業現場の課題やリスクのピックアップが必要です。多くの製造業では、営業組織に投資できていないため、以下のような状況が見られます。
『営業活動の属人化』
営業社員の業務プロセスやタスクなどが部門で共有されず、それぞれが独立した個人商店のような営業活動を行っているケースです。営業成績が個人のスキルに左右され、ベテラン営業社員の退職が業績ダウンにつながるといったこともあります。
『営業予測のブレ』
通常、営業組織では、それぞれが抱えている案件の営業予測を積み上げて部門予測とします。その予測をベースにさまざまな営業活動を行うことになりますが、製造業の営業組織の場合、この営業予測に定性的な指標が無く、個人の感性で予測を算出するケースがあります。そうすると部門全体の予測にブレが生じ、結果として経営判断の誤りを招きかねません。
このように、製造業の営業組織にはある程度共通の課題があります。これらの課題を解決するためには「営業組織の見える化」が必要です。
つまり、営業プロセスや商談状況を組織全体で共有し、クロージングに向けた営業予測や顧客情報に都度反映させる仕組みが必要となります。営業組織全体で情報共有ができれば、営業課題の属人化という課題を解決できるでしょう。
製造業の営業力を高めるには、先に解説した『営業活動の属人化』と『営業予測のブレ』の2つの課題を解決しなければなりません。これらの課題を解決できれば、営業力が飛躍するでしょう。
製造業に限ったことではありませんが、営業活動が属人化してしまうのはノウハウを共有する場がないのが原因です。報告業務だけではノウハウの共有にはなりません。Excelや紙ベースでのコミュニケーションでは限界があります。
この課題の解決方法は、社内情報共有SNSやグループウェアの導入が最適です。コミュニケーションツールを使うことで、社内での情報共有が活性化し、ノウハウの共有が浸透しやすくなるでしょう。
対面だと情報を伝えられる人数が限られますが、コミュニケーションツールなら多人数に対して情報を共有できます。チャットなら「ちなみに」くらいの感覚で投稿できるので、情報を発信しやすいです。トップ営業パーソンのテクニックを共有することで、営業部全体のスキルが上がっていくでしょう。
営業予測を各営業パーソンに任せているが、部門全体にブレが生じている。これもシステムが整っていないのが原因です。Excelだとデータの共有がしづらいため、多くの企業が課題としているでしょう。
この課題の解決には、SFA(営業支援システム)が最適です。SFAには売上予測機能が備わっているので、個人個人で計算する手間が省けます。それに、各営業パーソンの活動データが集約されるので、部門全体での予測が可能になるのです。
営業パーソンごとの感性や経験に頼っていた売上予測から、システムを使った予測に切り替えることで精度が上がるでしょう。Excelで営業予測を計算しているのであれば、SFAに切り替えることで時間も手間も省けます。自動化できる作業はどんどんシステムに任せていきましょう。
製造業における営業の効率化は、多くの場合、SFA(営業管理システム)やCRM(顧客管理システム)の活用により解決を図ることが可能です。営業社員ごとに営業プロセスやプロセス、タスク、スケジュールなどを共有することで、上司からのアドバイスも的確に行うことができ、組織全体のスキル向上につながります。
また、顧客情報をベースに商談内容を積み上げていくこと、その履歴を蓄積していくことで受注(あるいは失注)の要因を探ることも可能となり、結果として多くの事例が蓄積されます。仮に営業担当者が変更になったとしても、過去の事例を参照することで、変わらないクオリティで営業活動を行えるでしょう。
同時に、CRMを活用したマーケティング施策でプレセールスを行い、有力なセールスリードを営業社員に渡すという活動もできるようになります。このような一連の活動はSFA/CRMの得意とするところです。製造業の営業の効率化には、SFA/CRMの導入が有効な投資であるといえるでしょう。
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製造業の場合、モノづくりへの投資を惜しむことはありませんが、営業への投資は後手になりがちです。しかし、良いモノを作っても売れないというケースはあります。その場合は営業組織を見直すことで解決します。
製造業が営業の効率化を図るためには、SFA/CRMの導入がひとつの解決方法となります。「営業組織全体の見える化」は、製造業が今後生き残っていくための有効な施策なのです。