導入事例|朝日ゴルフ株式会社
創業60年目の大挑戦。営業活動の“見える化”で全国支店との情報共有を加速
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支店ごとの活動が見えず、営業がブラックボックス化
塩澤 氏:朝日ゴルフ株式会社は、GPSゴルフナビ「EAGLE VISION」などの製造でゴルフの新しい楽しみ方を提案するとともに、「テーラーメイド」や「キャロウェイ」などの海外ブランドの代理店として、ゴルフ用品の総合サポート事業を行なっています。ゴルフを原点に、遊び心を忘れずに幅広いライフスタイルを創造し続けています。
神戸に本社を置き、東京、福岡の3つの拠点からゴルフ場内のショップやゴルフ用品店向けにルート営業を行なっているのですが、これまでは本社から他支店の営業の動きが全く見えていませんでした。
実は“日報アレルギー”と称しても良いほど、活動の記録というのがずっとできていなくて…。過去に2社ほど日報システムも導入していたのですが、最初のうちは皆入力をしても、徐々に入力する人間が減っていき、また日報へコメントを返す者もいなかったため、最終的には誰も入力しなくなりました。弊社の営業は地域ごとにエリアを担当するのですが、そう頻繁に交代があるわけではないので属人化も顕著でしたし、どんどんブラックボックス化して行きました。
そんな中、UPWARDのことを知って他サービスとも比較しながら、「地図機能もチャットでの情報交換機能もあり、最も我々が求めているものに近い」と思い、導入に至りました。
UPWARDで可視化にチャレンジしたのは、以下の2点です。
① 訪問先(ゴルフショップ / ゴルフ場)に営業がきちんと訪問しているか
② 営業が提案し、新機能・新商品の導入が進んでいるか
しかし、これまでシステムの定着化に失敗していたこともあり、ずっとこうしたITには強い抵抗があったので、「まずは入力してもらうことを重視しよう」という方針でChatter(掲示板)機能の活用から始めました。
活動報告へのこまめなリアクションで、日報が“双方向”のコミュニケーションへと進化
こちらが、実際のChatterの画面です。赤枠で囲った部分では、新人が書いた日報に上司である先輩がコメントをしています。
他の先輩社員が担当しているゴルフショップへ訪問しているうちに、担当者と仲良くなって売上も伸びてきていたので「次の期から担当を持ちたい」と提案し、すぐにそれに応える形で先輩社員が「心配しなくてもすぐ交代するつもりだったよ」と伝えている場面。
以前の日報では、あくまで一方通行で社員から会社への報告だけという形式でしたが、Chatter機能を使ったことによりこのような双方向のコミュニケーションが生まれました。これまでは「明日からこの案件を担当させてください」なんてことを下から言うこともなかったですし、以前の日報はデータが集約できなかったのでなかなか長続きしませんでした。今ではChatterに上がった話題をきっかけに、実際に顔を合わせたときにも会話が弾み、コミュニケーションが活発になりました。
またChatter投稿が拡がった背景には、音声入力もありますね。車営業がほとんどですので、営業を終えた後に車内で入力するのが楽だということで、徐々に音声入力で投稿をする者も増えてきました。たまに日本語が面白変換されているのを見ると、ついつい関西の血が騒いで何か「面白い返しがしたい!」と思ってしまう(笑)。そんな時に、Chatterなら気軽にツッコミを入れられます。
最初の頃は、旧システムからしっかり入力をしてくれていた営業を推進者に据えて、成功事例を作ろうと考えました。真面目な話から冗談めかした話まで、まずは3人くらいでとにかく活動報告へ返答をし続けるようにしていました。そうすると若い営業マンも「見てくれている」とモチベーションを高めてくれて、自分のやってきた営業活動にフィードバックがあるという点から、活用が拡がっていきました。
ただ、入力者に入力しろとお尻を叩くだけでは伸び悩むところもあるので、見る側の意識も変える必要があります。UPWARDのカスタマーサクセスの方にマネージャー研修をしていただき、それも非常に効果的でした。「直属の上司が見てくれている場所だからちゃんと書こう」と、若い営業には一番効果があったかもしれません。こういった些細なことでも、担当してくれているカスタマーサクセスの方がアドバイスをくれたので有り難かったですね。
「まずは白くて大きい丸から回って、道中に赤があったら青くして」 ゲーム感覚で地図の色を塗り替えていく
ルート営業は、実際にUPWARDの地図を見ながら行なっています。活動の頻度と売上合計に応じてピンの色や大きさを設定し、営業担当者はまず自分のエリアの取引金額が大きいものの1年以上訪問できていない、“大きな白い丸”を目指して巡回していきます。
昨年2月末時点の東京支店の地図を見てみると、訪問実績のないゴルフ場が非常に多かったので、営業マネージャーがマップを見ながら検証して、まずは日本一ゴルフ場が多い千葉から攻めていこうという話になりました。今までは行くように指示しても本当に行ったかどうかは判断が難しかったのですが、活動状況が一目瞭然になり、まさに目に見えて訪問件数が増えていきました。同じ流れで埼玉、静岡など好事例を横展開しやすい近隣エリアも強化していきました。
「まずはこの大きな白丸に全部行こう」「その行く道中に炎のような大きな赤色があったら青色にしなきゃいけないよ」と地図の塗り替えゲームのような感覚で現場に伝えていき、8月には2月と比べて、色の付いているところが大きく増加しているのが伝わるかと思います。
「大きな白丸は行かなくても売上が上がっているのであれば、行ったらもっと上がるだろう」と言えばぐうの音も出ません。ゴルフ場って、古くからの礼儀を重んじる方が多く、来てくれる営業がいたら「おみやげ」と言って注文を出してくれたりするんです。
あとはサンプルが古かったり、最新機種が並んでいなかったり。そこへ店舗側でまだ認識されていない、実際の売れ筋情報をもとにした売り場提案をすると購入者が見事に増えるので、長らく行っていないところにはやはり巡回すべきです。私たちはそれを“金脈が眠っている”と呼んでいます(笑)。
顧客との良好な関係構築と社内でのノウハウ共有で、洗練された売り場づくりを
こちらは、UPWARDを導入してから始めた取り組み「ディスプレイコンテスト」の画像です。
ゴルフ場やゴルフショップの売り場を、一定期間ジャックしてアピールさせてもらい、その売り場の写真を撮ってきてもらって、全社員からの得票数で競います。良い売り場ができるとChatterへの投稿も活発になり、またこうした良い売り場には賞賛のコメントもたくさん付きます。それを見て他の営業も「こんな見せ方があるのか」と勉強になりますし、モチベーションアップに繋がっているのは間違いないですね。
そもそもお店のスペースをお借りして、こうした売り場を作らせてもらうこと自体が良好な関係がないとできないことなので、そこも日々の営業をきちんと行なえているという成果の一つになります。まだ始めてから2年目ではありますが、明らかに1年目のときよりも全体のレベルが上がりました。こういう情報の共有ができて、本当に良かったなと改めて感じています。
全社員でデータの有効性を理解し、UPWARDの 100パーセントの力を引き出したい
UPWARDを導入して2年で、ようやくデータが蓄積でき、思っていたような活用ができるようになってきたと実感しています。
ただ残念ながらまだ全員が使いこなせているという訳ではないので、全社員がこのデータの有効性に気付いてもっと活用していければ、よりUPWARDの力が発揮されるようになると思います。
もっと有効活用し、朝日ゴルフの営業の「型」を作り、定着させていくことが次のステージだと考えています。