企業が持続的な成長を成し遂げるには、顧客理解を深め、顧客満足度を高めることが重要です。そのため、近年さまざまな企業で顧客管理ツールとして知られるCRMの導入が進んでいます。本記事では、CRMを起点とした戦略立案を行うメリットや具体的なステップについて解説しています。
【CRM戦略とは?】導入するメリット・戦略立案のための7ステップ
CRM戦略とは?
そもそもCRMとは、顧客との関係性をビジネスの中心に据え、「顧客に対して何ができるのか」を最重要視することで、顧客満足度ならびに利益の最大化を目指す概念のことです。
そのため、CRM戦略は、顧客との関係性を構築し安定的な売り上げ創出拡大を目指す計画や方針のことです。近年のビジネス環境では、インターネットの普及による顧客のニーズの多様化・複雑化などにより、不特定多数に向けた営業活動やマーケティング活動を実施しても成果が得られにくいです。そこで、顧客情報を起点とした戦略が注目されています。 CRM戦略を実施することにより、顧客との関係値の強化・構築を行い、既存顧客のファン化を実現し、安定した売り上げの創出を実現します。
関連記事>> 顧客情報とは?管理すべき理由・項目・管理方法を解説!
CRM戦略を導入するメリット
顧客ニーズの可視化
CRMを活用することにより、顧客の行動履歴・購買履歴・商談履歴といったデータが一元管理できるようになり、顧客ニーズが可視化されやすくなります。顧客ニーズを把握することは新商品・新サービスの研究開発や、顧客との商談におけるコミュニケーションなどを行う際に役立つため、最大のメリットの1つと言えるでしょう。
データドリブンな営業活動・マーケティング活動の実施
CRMに蓄積された顧客情報を起点とした戦略を立案することで、担当者の経験や勘、センスといった現場任せになることなく、データドリブンな営業活動やマーケティング活動を実施できます。そのため、業務の属人化防止にもつながり、従業員の誰もが一定の成果を収められるようになります。
関連記事>> 営業の属人化が起こる原因と7つの解決策を徹底解説
顧客満足度(CS)の向上
CRMを活用すると、顧客のニーズに適した商品やサービスを把握できるようになり、顧客満足度向上につなげやすくなります。さらに購入後の顧客情報をCRMへデータを蓄積し、データを起点としたアプローチ・アフターケアを実施できるようになるため、カスタマーサポートの品質が向上し、顧客ロイヤルティの向上にもつながるでしょう。
関連記事>> 顧客満足度(CS)とは?向上させるべき理由や6つの具体例を解説
SaaS(サブスクリプション)事業との親和性が高い
CRM戦略は SaaS(サブスクリプション)事業と親和性の高い取り組みです。サブスクリプション型のビジネスモデルの場合、月額制・年額制で商品やサービスの購買を行うため、継続更新してもらえるよう、リピート化・ファン化が必須となります。CRMへ蓄積された情報を活用することにより、顧客に対する丁寧なアフターケアやサービス提供ができるようになるため、リピート率を向上させて事業成長につなげやすくなるでしょう。
LTVの向上
LTVは「Life Time Value(ライフタイムバリュー)」の略称です。日本語では「顧客生涯価値」といったように訳されているマーケティング用語としても呼ばれています。これは多くの場合、顧客1人(1社)が企業と取引を始めてから終えるまでの間に、企業の商品やサービスを購入した金額の合計のことです。CRM戦略では、顧客と持続的で長期的な戦略の立案および実行を目指すため、LTV向上につながりやすくなります。顧客全体のLTVが向上すると、新規の顧客獲得数が少ない状況においても、安定的な売り上げが確保されるようになります。
関連記事>> LTV向上に有効な5つの営業戦略・メリット・計算方法を徹底解説
CRM戦略の立案・推進の7ステップ
1.課題と目標の整理
CRM戦略を構築する際は、まず自社にどのような課題があるのか整理しましょう。課題を整理することによって、CRMへ蓄積される顧客データをどのように活用するかが明確化されます。たとえば、リピート率が経営上の課題なのであれば、過去にリピート購入につながった/つながらなかった顧客情報を分析し、顧客層の解像度を上げるなどの目標設定を行えるでしょう。
2.KPI設定
次にCRM戦略の効果測定に必要となるKPI設定を行います。自社の商品やサービスによってKPIとなる指標は異なりますが、CRM戦略では以下のような指標をKPIとして掲げる企業が多い傾向にあります。
- ・受注金額
- ・リード数
- ・継続率
- ・顧客単価
- ・転換率
- ・リードタイム
3.ペルソナの設定
次にペルソナの設定を行います。ペルソナとは、自社の商品やサービスを提供する際に、想定される顧客像のことです。CRM戦略では、顧客を起点とした営業活動やマーケティング施策を考えなければならないため、ペルソナの設計が重要になります。具体的なペルソナを設定することにより、CRM戦略を構築する上で、顧客理解が深まり、顧客ニーズの発見もしやすくなるでしょう。
4.カスタマージャーニーの設定
ペルソナの設定後はカスタマージャーニーを設定します。カスタマージャーニーとは、顧客が自社の商品やサービスを認知し、購入まで至る一連のプロセスのことです。カスタマージャーニーを設定することにより、顧客の行動や購買プロセスの可視化が実現します。そのため、フェーズごとに顧客がどのような情報にに惹かれ、どのような行動を起こすのか把握しやすくなります。
5.CRMツールの導入
CRM戦略を成功に導くためには、顧客情報の蓄積・収集・分析に特化したCRMツールの導入が重要です。自社の課題解決に適したCRMツールの導入が望ましく、導入をする際は以下 のようなポイントを基準に選定すると良いでしょう。
- ・データ入力のしやすさ
- ・サポート体制の手厚さ
- ・セキュリティの高さ
- ・各種ツールとのデータ連携のしやすさ
最新のおすすめCRMツールは下記記事で詳しく解説しています。
関連記事>> 【2024年最新】顧客管理アプリ(CRM)14選!無料版や選定ポイントなどを徹底解説
6.顧客情報の集計・蓄積
CRMの導入が完了したら、最重要となる顧客情報の収集・蓄積を開始しましょう。CRM戦略を行う上で、顧客情報の集計・蓄積が継続的に行えるかどうかが、CRM戦略の成功における分岐点といっても過言ではありません。近年は多くの企業が顧客データの活用の重要性に気づき、CRMの導入が進んでいます。しかし、多くの企業がCRMを導入したものの、社員が営業活動の記録を行わないなどの壁にぶつかっている実態もあるようです。
上記のデータは「営業活動の記録を行わない理由」を当社が独自調査したものです。
この調査結果から、CRMの導入したものの「データ入力の手間が大きい」「データ入力の必要性を感じない」といった現場の意見が多くあることがわかりました。CRMツールが使いにくいと、営業メンバーごとに使用頻度や活用度合いに差が生じ、得られる情報や分析結果の信頼性が低下につながります。
7.施策の振り返り&改善
データを元に何かしらの施策を実施した後は必ず効果検証しましょう。効果検証を行うことにより、取り組みによってどのような効果が得られたのか、必要な改善点などが把握できます。効果検証とプロセスの修正を繰り返していくことで、新たな気付きが生まれ、より精度の高いCRM戦略を立案・実行できるようになるでしょう。
CRM戦略を成功させるなら「UPWARD」の導入がおすすめ
当社では、外回り・訪問営業向けにCRM・SFAの価値最大化をサポートする営業DXツール「UPWARD」の提供および開発を行っています。
「UPWARD」を活用することで、スマホ一つで簡単にお客様のプロファイル情報、商談履歴、活動報告等の顧客データを半自動的に入力・管理・活用ができます。現場の担当者が営業日報や活動報告を作成する際は「UPWARD」アプリ上で自動で報告フォーマットが作成されます。また、音声入力や名刺読み取り機能により、スキマ時間に簡単に営業報告が可能です。
日々入力されるデータは地図上で可視化され、次に訪問すべき顧客が直感的にわかります。「行きやすい場所」ではなく、本当に「行くべき場所」へ 、戦略的な訪問活動が誰でも可能です。外回り・訪問営業のためのモバイルCRM「UPWARD」のサービス紹介資料ダウンロードはこちら
「UPWARD」を活用したCRM戦略の事例
こちらでは「UPWARD」を実際に活用してCRMを起点として、業務効率化や顧客満足度向上を実現させた企業様を3社ご紹介します。
株式会社ミツモア
株式会社ミツモアは、引っ越し・ハウスクリーニングといった日常の困りごとに対して、サービスを提供する事業者と依頼主をマッチングするプラットフォーム「ミツモア」を運営している企業です。「ミツモア」はプラットフォームの特性上、日々多くの顧客とコミュニケーションを取る必要があり、各顧客とのコミュニケーションが部署を横断することも頻繁に起こっていました。それにもかかわらず、「UPWARD」導入以前は、コミュニケーション履歴を各部署が個別管理し、共有できていないことが社内の課題となっていました。しかし、「UPWARD」導入後、各部署で利用するコミュニケーションツールを「UPWARD」に連携。「ミツモア」を活用する事業者・依頼主双方とのコミュニケーション履歴の格納場所として運用を開始しました。日々、大量に発生するコミュニケーションをUPWARD上に格納することで、トラブル発生時に一括で履歴の抽出が可能に。そのため、コミュニケーション履歴の見落としによるお客様とのトラブルが減少しています。
事例記事>> 株式会社ミツモア
日本メディアシステム株式会社
日本メディアシステム株式会社は、通信機器や環境商材を取り扱う専門商社です。「UPWARD」導入以前は、営業活動履歴の管理方法にルールがなく、各部署がバラバラの方法でデータを所持。これが原因で営業活動履歴の部署間での共有が困難となり、顧客からの問い合わせの回答に時間を要することが課題でした。しかし、「UPWARD」導入後、業活動履歴や契約内容・取引履歴を一括で確認できるようになり、確認作業のために要していた時間は削減され、スピーディーな回答が実現しています。
関連記事>> 日本メディアシステム株式会社
株式会社クボタ
株式会社クボタは、全国の農家に向けて、農機の販売やメンテナンス、営農の提案などの事業を展開しています。「UPWARD」を導入することにより、分厚い地図帳やカタログを持ち歩いたり、マネジメントのために情報を印刷した地図に書き込んだりする手間を削減。代わりに「UPWARD」のアプリに搭載されている位置情報をもとに、お客様情報を参照できるようにしました。その結果、昨今頻発する自然災害で農業被害を受けた被った際は、農家の被害状況を「UPWARD」上でいち早く全社共有し、復旧へのフォローをするという使い方ができるようになりました。
事例記事>> 株式会社クボタ
まとめ
CRM戦略を立案・実行することで顧客との長期的な関係性構築や売り上げ向上が期待できます。そして、効果的なCRM施策を実施するためにはCRMへの正確・確実なデータ入力が重要です。CRM戦略を実行する際は、データ入力の担当者が入力しやすいツール選定やオペレーションの構築を行うようにしましょう。実際にCRM導入しているものの、「現場がCRMを活用してくれない」といったようなお困りごとがございましたら、当社までお気軽にご連絡ください。
お問い合わせはこちら