新規開拓のテレアポや飛び込み営業などを行う際に成功のカギを握るのが営業リストの作成です。精度の高い営業リストを作成することで、営業の生産性や売上向上に貢献します。 今回は営業リストの作成方法から営業リストの情報収集方法、管理方法などを網羅的にご紹介します。これから営業リストの作成を検討している企業の方はぜひ参考にしてみてください。
営業リストとは?作り方や管理方法などを徹底解説!
営業リストとは?
営業リストとは、営業活動やテレアポを行う際に活用する見込み顧客をリスト化したものです。ターゲットリストやアタックリストと呼ばれることもあります。自社の戦略に沿った営業リストを作成することで、新規開拓営業の効率性が向上します。
営業リストの作成は従来、エクセルでの作成が一般的でしたが、表記ゆれ、情報蓄積による動作遅延、入力ミスなど、さまざまなトラブルが起こることから、近年、顧客管理ツール(CRM)やSFAツールなどを用いてリストの作成および管理を行う企業が増えています。
営業リストを作成するメリット
データの蓄積
営業リストを作成することで顧客情報のデータが蓄積されます。社内でデータを一元的に管理することによって、リアルタイムで営業の進捗具合を確認できるだけでなく、営業の課題感や勝ちパターンなどを営業部門全体で把握することが容易になります。
新規開拓営業の効率化・成約率のアップ
営業リストを作成することで、新規開拓営業の効率化がすすみます。営業リストがなければ、自社製品やサービスを導入してもらえそうな企業に片っ端からアポイントの電話や飛び込み営業をしなければなりません。そのような方法は非生産性的な営業活動では、自社製品やサービスの成約や商談のアポイントを獲得できないだけでなく、営業担当者のモチベーションを阻害してしまう要因になってしまうでしょう。戦略的な営業リストの作成により、営業の効率性や成約率アップにつながります。
作業の効率化
顧客情報を営業リストに集約することで、営業データを別のファイルやツールから探す手間などが省けるようになるため、作業の効率化につながります。作業が効率的になれば、営業担当者の生産性向上やモチベーションアップなどにつながります。
営業リストの作成プロセス
営業リストを作成するためには、主に3つのプロセスがあります。
STEP1:営業リストの作成準備
STEP2:営業リスト作成のための情報収集
STEP3:顧客情報のリスト化
次の項目からそれぞれ詳しく解説していきます。
営業リストの作成準備
それではここから営業リストの作成準備について整理していきましょう。営業リストの作成準備は主に3ステップです。
・ターゲットを選定する
・顧客ランクを定義する
・リストに記入する必要項目を設定する
それぞれ詳しく解説していきます。
1.ターゲットを選定する
営業リストを作成する際には、自社の営業戦略に沿ったリストを作成することが重要です。ターゲット選定を行う場合、自社製品やサービス、そして注力したい業界や規模に焦点を当てるだけでなく、既存顧客の傾向や営業担当者からの現場の情報を活用することも不可欠です。これらの要素を総合的に考慮することで、戦略的なターゲットの選定が実現します。
2.顧客ランクを定義する
営業リストを作成する場合は、それぞれの見込み顧客に対して顧客ランクの定義を行いましょう。顧客ランクを定義することで、優先して対応すべき顧客が明確になり、効率的な営業活動を実現できます。顧客ランクはターゲットの関連性や重要性に応じて、Aランク→Bランク→Cランクといったようなランク定義などを行なってください。
3.営業リストの必要項目を整理する
次に営業リストに記入する必要項目を整理しましょう。
営業リスト内に用意すべき必要項目は以下のようなものが挙げられます。
・企業名
・住所
・電話番号
・代表者名
・部署と担当者名
・企業規模
・業種
・顧客ランク
・顧客の課題
・購買意思
・受注確度
注意点として、営業リストへの記入情報を増やせば増やすほど管理体制が煩雑になりやすくなります。そのため、営業リスト作成の初期段階においては、最低限な項目に絞って作成することをおすすめします。
営業リストを無料で情報収集する方法
インターネット上での調査
営業リストを作成する上で最も一般的な情報収集方法がインターネットです。ターゲットなる企業の情報を一つ一つ調べる手間が発生しますが、コストが発生しない点がメリットです。インターネットで調査する際は、企業の公式ホームページなどから必要な情報を収集しましょう。営業リストの対象が上場企業の場合、IR情報なども確認することで質の高い営業情報を把握できるようになります。
Googleアラート
Googleアラートとは、Googleが提供する無料サービスで、特定のキーワードを含む情報がインターネット上に公開された際に、メールで通知してくれるサービスです。例えば、注力したい業界のキーワードや企業名を入力することで最新の動向をキャッチアップしやすくなります。キャッチアップした情報を営業リストに日々反映することで鮮度の高い営業リストの作成が実現します。
名刺情報
過去、展示会や外部イベントに参加した経験があれば、名刺情報も営業リストの候補となり得ます。これまで社内に貯めてきた名刺の中からターゲットとなり得そうな顧客情報を探してみましょう。
セミナー
自社で所有しているハウスリードに向けたセミナーの開催も有効な収集方法と言えるでしょう。セミナーに参加してくれるような顧客は自社製品やサービスに興味・関心を持っている可能性の高いような顧客です。
セミナーやウェビナーは、顧客が本当に知りたいと思っている情報を提供し、質問やディスカッションを通じて参加者と対話する機会を設けることが重要です。また、フォローアップのメールによるアフターケアも、関係構築の重要なステップとなるでしょう。
自社サイトのアクセス解析
自社サイトに訪れるユーザーは、自社製品やサービスに対して興味・関心を抱いている企業である可能性が高いです。そのため、営業リスト内に含めるべき顧客になり得るでしょう。流入経路の解析方法としてはIPアドレスの特定があります。固有のIPアドレスを所有している企業であれば、どの企業からアクセスされたかという情報が判別できます。IPアドレスの検索方法は「IPひろば無料版」といったような無料で調査できるサイトがあります。
営業リストを有料で情報収集する方法
営業リストの購入
営業担当者は顧客との商談や提案資料の作成、メールへの返信など、さまざまな業務に対応しなければなりません。営業担当者の負荷を下げるという意味でも、顧客リスト販売業者からの営業リストの購入は選択肢の一つになるでしょう。
営業リスト作成ツール
営業リスト作成ツールとは、営業先の情報をツールが自動収集し、集計、自社に適した営業リストを作成するというものです。営業リスト作成ツールを導入することで、営業先の情報収集からターゲットのリスト化まで一貫して行うことができ、業務の効率化が行えます。ただし、導入するためには各サービスによってコストが発生することに注意しましょう。
展示会やイベント
展示会やイベントに参加し、見込み顧客と直接接点を持つことで営業リストを作成することも可能です。全く見に覚えない企業からの飛び込み営業やテレアポを行うよりも、展示会で名刺交換や会話などをすることで、関係値が深まり、営業しやすくなるでしょう。
顧客情報をリスト化する
最後に収集した顧客情報をリスト化していきましょう。
エクセル
日々の業務でも活用するエクセルは慣れ親しんでいるということもあり、ターゲットのリスト化初期には使いやすさを感じるでしょう。 ただし、エクセルでリストを作成し続けると、表記ゆれや重複入力といった問題が発生するため、本腰を入れて営業リストの作成を検討している方は前述でご紹介した営業リスト作成ツールの活用をおすすめします。
関連記事>> エクセルで顧客管理する方法!6つの便利な機能やデータベースの作り方を解説
外部の業者に委託する
情報収集から顧客情報のリスト化まで一気通貫で外部の業者に依頼することも一つの手です。これまで営業リストの作成をしたことがない企業や営業担当者のリソースが限られている企業にとっては時間的コストを節約できます。ただし、営業リストに含まれる個人情報の漏洩リスクや発注コストなどが発生するデメリットもあります。導入を検討する場合は、外部の業者に委託する際はセキュリティ対策や営業リストの納品の質に考慮しながら選定するようにしましょう。
顧客管理(CRM)ツール
顧客情報の蓄積および集計、分析に最も適したツールが顧客管理(CRM)ツールです。CRMとは、「顧客関係管理」や「顧客関係性マネジメント」を意味するCustomer Relationship Managementを略したものです。顧客と長期にわたって、良好な関係を構築・維持するためのシステムを指します。顧客をデータベース上で一元管理し、見込み顧客の開拓や既存顧客からのリピート購買などの成果に繋げることで、自社の業績を拡大させる顧客を軸にしたマネジメントツールです。
CRMの詳細な機能や特徴については下記記事で詳しく解説しています。
関連記事>> 【2024年最新】顧客管理アプリ(CRM)14選!無料版や選定ポイントなどを徹底解説
SFAツール
SFA(営業支援)とは、「Sales Force Automation」(セールス・フォース・オートメーション)を略した言葉です。「営業支援システム」とも呼ばれています。主な機能としては、営業部門の業務プロセスの自動化、情報全般をデータ化して蓄積・分析などがあります。SFAは営業活動の管理に特化機能が多数搭載されているため、営業活動の生産性や効率性の向上に貢献します。
SFAツールの機能やおすすめの選び方は以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事>> 【2024年】SFA(営業支援)ツールおすすめ10選|主な機能やメリットを徹底解説!
CRM・SFAの役割や機能の違いについては下記記事で詳しく解説しています。
関連記事>> CRM・SFAの違いは?機能や役割の違いからどちらを選ぶべきか解説
セールスエンゲージメント
セールスエンゲージメントとは、CRM(顧客管理システム)やSFA(営業支援システム)の本来の価値を最大限に引き出し、顧客との深い関係構築を作る仕組みのことを指します。 顧客との深い関係構築は従来の営業スタイルでも重視されていたことですが、セールスエンゲージメントサービスを導入することで、属人的な営業スタイルに頼ることなく、顧客情報を自動で集計・抽出・加工を行い、売上・収益に直結するようなインサイトを導き出せるようになります。
関連記事>> セールスエンゲージメントとは?注目されている背景や特徴を徹底解説
営業リストを作成する際の注意点
定期的に情報更新を行う
営業リストの情報は鮮度が重要です。営業リスト先の企業が移転や事業路線の拡大・変更などが行なわれた状態で従来と同じ営業のアプローチをすると顧客へ不快な思いをさせてしまう可能性があります。そのため、前述でご紹介したGoogleアラートやSNS、定期的なウェブサイトの訪問などを通して情報の鮮度は日々更新するようにしましょう。
重複は避ける
営業リストを作成する際は重複を避けるようにしましょう。重複のリストが増えれば増えるほど営業の非効率化が進むだけでなく、場合によっては自社の営業担当者が同じ企業に複数回アプローチをしてしまい、相手企業へ迷惑をかけるリスクが起こってしまいます。エクセルで管理する場合は関数を用いて、会社名と担当者名が一致した場合はセルの色が変化するような対策や、顧客管理ツールを導入して同じ営業担当者が登録されないようにしましょう。
営業DXツール「UPWARD」導入による営業リスト作成の効率化実現
当社では外回り・訪問営業のための営業DXツール「UPWARD」の提供および開発を行っています。
「UPWARD」を活用することで、スマホ一つで簡単にお客様のプロファイル情報、商談履歴、活動報告等の顧客データを半自動的にCRMへ蓄積します。現場の担当者が営業日報や活動報告を作成する際は「UPWARD」上に自動で報告フォーマットが作成されるだけでなく、音声入力対応により、スキマ時間に簡単に報告が可能です。 日々入力されるデータは地図上で可視化され、次に訪問すべき顧客が直感的に分かります。いつもの「行きやすい先」ではなく、本当に「行くべき先」へ 、戦略的な訪問活動が誰でも可能です。
また「UPWARD」の追加オプション機能である「UPWARD DATA」を導入することにより、国内約800万件の商業施設情報をカバーするFoursquare社提供のデータベース「Foursquare Places」をもとに営業の新規開拓リストを作成できる機能「UPWARD DATA」が自動的に「UPWARD」に反映され、それらの情報をベースに顧客接点の記録を実現できます。
「UPWARD」と「UPWARD DATA」を活用して営業リストの作成の効率化を実現した株式会社エーライド様の導入事例記事はこちら
まとめ
営業リストを作成することによって、戦略的な営業アプローチが実現します。営業リストは作成したら終わりではなく、日々情報を更新していくものです。そのため、顧客管理に適したCRMツールやSFAツールなどの導入によって管理および分析が容易になり、営業の効率化や生産性の向上が図れるようになります。
CRMツールやSFAツールの導入を検討されている方はぜひ当社までお気軽にご連絡ください。
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