営業職はなくならないから、「誰でも使える」アプリでDXを図りたい
営業職は創造性やコミュニケーション力が問われるので、今後AI技術が発達してもなくならない、と考えています。
最初のうちは、そんな営業職の方向けに提供するモバイルCRMとして、UPWARDはそこまで競合がいないジャンルだったのですが、現在は様々な類似機能を持ったアプリケーションが出てきているので、やはりニーズはあるのかなと感じます。
海外展開も考えつつ、現時点では日本の方向けに開発を行なっていますが、いざ携わってみて気付いたことは、営業職の方は、僕らエンジニアが想定しているよりも、ITツールに明るくないと いう点です。
エンジニアとして難しくないUI(顧客から見たアプリケーション)デザインでも、お客様にとっては複雑だったり、難しかったりしてしまう。また僕らは毎日プロダクトを触っているので、「この操作をするのは当たり前だ」と捉えてしまい、そういった点について鈍感になってしまいます。
例えば、お客様に届く通知A、Bがあって、その通知をオフにする設定X、Yがあって。
設定Xをオフにすると通知Aがオフになるのですが、設定Yをオフにすると、通知A、B両方ともオフになってしまう、といったことがありました。設定1つが2機能持ってしまうという、非常に分かりづらい状態です。
気付けば明らかにおかしいんですが、盲目になりがちなんですよね。
こういった背景もあり、今後もプロダクトとして開発をする上では、「誰でも使える」くらいに落とし込むべきだと考え、意識的に使いやすいUIを心がけています。
(UPWARDは「誰でも使える」UIデザインを目指している。)
「開発したいもの」ではなく、「お客様が欲しいもの」を届けられるチーム作り
現在、UPWARD株式会社の開発は既存プロダクトと新規プロダクトそれぞれのチームで動かしています。
新規プロダクトチームで開発中のUPWARD BOARDについては、後ほどご説明しますが、サービス毎に分かれてそれぞれのチームで「スクラム」というアジャイル開発手法(迅速にPDCAを回して開発する手法)を用いて、チーム内でのコミュニケーションを大切にしながら開発を進めています。
この体制の中で特に意識しているのは、「開発したいもの」ではなく、「お客様が欲しいもの」を作ることです。
例えば、これは数年前からずっと続けていることですが、実際にお客様と接しているAE(アカウントエグゼクティブ)チーム、CS(カスタマーサクセス)チームからフィードバックをもらいやすいよう、要望管理シートで密にコミュニケーションを取り合っています。
担い手不足の時代に
営業組織はどう対応すべきか?
PDF 18ページ
サービスご紹介資料
「UPWARD」のより詳細な情報をご紹介しています。
この要望管理シートに書かれていることからお客様のニーズを把握し、優先順位別にタスクリストを作り、チーム内でそのタスクリストを最重視して開発を進めるような仕組み作りをしています。これを徹底し、お客様の要望がなるべく早く、プロダクトに反映されるように心がけています 。
直近だと、今年の年末から年始にかけてリリース予定の「UPWARD v14 」で、マップの表示速度の改善や、ピンが表示される速度などの改善を行う予定です 。
UPWARD MAPでは、マップの初期表示に時間がかかってしまっており、読み込みが遅いとのご意見をいただいていたのですが、現時点で10%程の改善を見込んでいます。さらに改善を出来るよう、引き続き開発を進めています。
これもお客様からずっとご要望をいただいていたため、少しでも早く改善したく、実装するものになります。
また、より顧客理解を深めるため、開発チームに積極的に社内のAEチーム、CSチーム向けのワークショップや勉強会に参加してもらう活動なども勧めています。
地道な努力ですが、こういったお客様のために出来ることは、引き続きどんどんやっていこうと考えています。
コロナ禍で誕生した新プロダクト「UPWARD BOARD」とは
現在、「UPWARD BOARD」という新プロダクトを開発中です。こちらはまだ詳しくお伝えすることは難しいのですが、オ ンライン/オフライン両方の顧客接点を記録できるサービスです。Salesforceのダッシュボードを有効活用できるほか、類似性の高い商談や取引先を紐づける機能なども予定しています。
これは、野球のスコアボードに例えるとイメージしやすいかと思います。野 球って、今までやってことが全て定量的にスコア化されてデータが見えますよね。投手が今まで投げた球数や、得意なコース、苦手なコース、奪三振の数など。そのデータがあるから、監督やバッターは相手投手の研究が出来て、「先発がこの投手ならこの打順にしよう」「この球種を狙おう」「この球を打とう」と判断ができる。
それと同じで、営業現場でもマネージャーやメンバーが、「この商談規模ならこの人が得意だ」「この業種にはこういうプレゼンをするとうまくいく」「このフェーズでは、オフラインではなく、電話でコミュニケーションを取った方が良い」という判断ができるような、そんなサービスにしたいと考えています。
元々は、コロナ禍で「場所に捉われない働き方や顧客接点」が増えてきたことが着想のきっかけでした。これまでオフラインの顧客接点を標準化、定例化、定量化し ていくという機能がメインだったUPWARDは、電話やメール、オンライン会議などが中心となったお客様によっては、機能がマッチしない場面も出てきていました。
このままでは、お客様のニーズの変化に 応えられないと考え、オンラインも含めた全ての顧客接点を同じ画面で記録することができる、「UPWARD BOARD」の開発へと至りました。
個人的にこのプロダクトの中で楽しみに感じているのは、UPWARD BOARDをお客様に使っていただくことで、「電話やオンライン会議で受注に至れるのか」「オフラインの顧客接点が本当に必要なのか、それはいつなのか」と いう点も浮かび上がってくる、ということです。
僕らの会社の方向性も含めて、ニューノーマル時代に需要があるもののヒントとなるような、そんな示唆を返していけるようなプロダクトに育てていきたいなと考えています。
これからのUPWARDの進む道
開発チームのマネージャーとして、プロダクトそれぞれに以下の各ミッションを掲げています。
UPWARD MAPは既に大手企業を含む約300社に導入実績があり、色々なお客様に使っていただいているので、今後もお客様にとってより使いやすくなるように改善をしてまいります。
本年7月にリリースしたUPWARD AGENTでは、新しい挑戦をしています。特許出願中の技術など、最新の技術を使いながら、訪問活動をしたときの記録をなるべく簡単にできるような機能を実現させていきます。
UPWARD BOARDに関しては、まだ手探りなところはありますが、まずは営業のベストプラクティスを実現するためのポータルとして、どういったニーズがあるのか、PDCAを回していくためにどういった情報を得て、お客様に返していけばよいのか?というところを、突き詰めていきたいと考えています。
UPWARD開発チームは、お客様の求めるもの、お客様のニーズがあるものを本気で提供したいと思っていますので、お客様からのフィードバックというのは、これからもどんどん頂戴したいです。そこを通して、我々も価値提供できるようにしていきたいと考えておりますので、応援をぜひお願いいたします。
限られたリソースなので、全部を叶えるのは難しいのですが…お客様に寄り添った開発を、今後もぜひ継続していければと思っております。
UPWARDは引き続き「モバイルワーカーのパートナー」として、皆さまに寄り添い続けます。 これからもどうぞよろしくお願いいたします。