製造業
株式会社クボタ
原点回帰!フィールド営業の機動力を取り戻す!
1981年の設立以来、「デジタル技術の活用で、より豊かな社会を実現する」をミッションとし、コンピュータ周辺機器事業の分野で成長を遂げてきたローランド ディー.ジー.株式会社。同社のグローバルセールス&マーケティング本部 日本セールス部 CSユニットは、主に既存顧客のカスタマーサポートを担当。日々「お客様に製品を使い続けてもらうこと」をビジョンとして活動し、お客様へサポートとサービス(ローランド ディー.ジー.ケア)の提供を通じ、圧倒的なサービスの評価・信頼性・ブランドの構築に努めている。今回は、UPWARDの導入によって実現した訪問活動の効率化について、同部の今村氏、齋藤氏にお話を伺った。
グローバルセールス&マーケティング本部 日本セールス部 CSユニット 西日本SEグループ グループリーダー
今村 隆一 氏
グローバルセールス&マーケティング本部 日本セールス部 CSユニット 西日本SEグループ
齋藤 昌宏 氏
当部署は、既存顧客のサポートが主業務となります。製品にトラブルがあった際の修理・点検や、保守契約終了間近のお客様や保守契約が終了してしまったお客様のフォローといった業務をしています。我々はこれを「顧客活動」と呼んでおり、6割ほどがこの業務に費やされています。顧客活動の際、空いた時間で近隣のお客様についで訪問をしようとすると、これまでは都度パソコンを立ち上げ、Microsoft Excelで作成された訪問先リストを閲覧し、そこから顧客の住所を確認して地図ソフトや場合によってはカーナビゲーションに入力して、といった一連の作業を行い、訪問先を選定していました。そのため、訪問先を決定するまでに30分はかかっていました。特に土地勘がない場所や経験の浅い担当者にとっては、これらの作業が大きな負担となっていました。顧客活動を効率的に実施するためにSalesforceで顧客情報の管理を行っています。訪問先のリストは担当毎にSalesforceからデータをダウンロードして利用しているのですが、情報量が多すぎてダウンロードするのに時間がかかっていたり、情報量が多すぎてスマートフォンで閲覧できないといった手間が発生しており、もっとSalesforceを効率的に活用したいという課題もありました。また、活動報告のための日報入力を常に会社に戻ってから行っていたのですが、1社15分程度かけて入力しており、決して軽くない負担となっていました。このような訪問以外の業務時間を削減し、訪問活動そのものの活動量を最大化できるような営業支援ツールを検討し始めたのが、導入の背景です。
営業現場が効率的に活動できるため、顧客情報を地図上で確認できるツールを検討しました。まずは無料で利用可能なアプリケーションを候補としましたが調査していくうちに、セキュリティ上の不安から却下となり、有償の営業支援ツールを試してみました。しかし実際に動かしてみるとレスポンスが非常に悪く、実務に利用するのは難しいと思われたため、こちらもあえなく却下となりました。
その後、社内のシステム部門より「UPWARDというツールを試してみてはどうか」と紹介され、試用したのがUPWARDと出会ったきっかけです。早速トライアルを始めてみると、まず操作がとても分かりやすかったことが印象に残りました。特に、Salesforceで管理している顧客リストが地図上でマッピングされた状態で閲覧することができるので、見やすいのはもちろんのこと、訪問するというアクションに紐づけて顧客情報を活用できる便利さを感じたことを覚えています。また活動を入力する画面も分かりやすく簡単に入力できる操作感も評価でき、導入が決定しました。
UPWARDの導入により、営業現場でのついで訪問先の選定時間が1件あたり約30分程度から5分に短縮されました。またついで訪問だけではなく、通常の顧客活動のリストアップも条件を設定するだけで地図上から閲覧できるため、大幅な計画時間の削減に繋がりました。その恩恵で、これまで以上に効率的にお客様の元に伺うことが可能となりました。あくまで西日本エリアのみのデータとなりますが、訪問数実績は2016年から2017年の1年間で225%、2018年までの2年間で400%と大幅なアップとなりました。活動数自体が増えたので、結果として案件数も2018年の前年比で約270%と大幅にアップしました。これはUPWARDなくしては達成できなかった数字ですね。これにより、我々の製品売上関与も140%アップと、大きな売上につなげることができることを証明できたと思っています。
その他、定常業務にもよい影響が出ています。訪問したお客様の元での業務を終えると、その日の作業内容を紙で出力し、お客様にご確認いただいた後、サインをいただくのがこれまでの日常的な業務の流れでした。しかしそれだけではなく、その情報を社内で共有するために、帰社してからそれらの紙を手作業でアップロードしていました。UPWARD導入後は、紙の日報を廃止し、スマートフォンで日報作成する業務フローに移行したことで活動報告時間が1/3に削減でき、多くのお客様を回った際などには、数時間分の削減効果が出ています。加えて、報告内容をメールおよびSalesforceのChatterに自動で投稿されるようにしたため、情報共有のスピードアップに繋がっています。UPWARDの日報に移行してからは空き時間に入力が可能となったため、空いた時間でさらに訪問数を増やす良い循環となっています。
地図機能の使い方を常に工夫しています。たとえば昨年、保守契約が終了しているお客様に向けて何かお困りの点やお役立ちできることはないかを知るため、現状把握を目的としたキャンペーンの訪問活動を行いました。その際に対象顧客を効率よく訪問するために、UPWARDの地図機能を有効活用しました。具体的には、保守契約が終了している顧客のピンの色を変え地図上に可視化することで、パッと見ただけで「訪問すべき顧客」がすぐ分か るようにしました。そのため、訪問活動が非常にやりやすくなり、更なる時間短縮に繋がりました。また訪問後に活動報告(活動のステータス)を入力することでピンの色が変わります。ピンの色が変わることで自分の顧客活動の進捗がすぐに確認できるためモチベーションアップに繋がりました。
本社にコールセンターがあるのですが、故障へのお問い合わせなどの入電情報がリアルタイムにマッピングされる仕組みを実現できれば、業務効率がさらに上がると考えています。また予防保全の観点からお客様がお使いの機械を登録しておき、例えばモーターの寿命が迫っている等、なんらかの故障が予想される対象顧客をマッピングするといったことも実現していきたいと考えております。